差し入れ








「あのう・・・すいません・・・・・・」



彼女は突然現れた。










本日、日曜日。

ここ、川崎ロッサでは今日もサッカーの練習をしていた。

郭 英士 も その一人である。





お昼になって、昼ご飯を食べようとバックから

弁当を取り出す英士。



「???????」





どうやら、弁当を忘れたようだ。



『おかしいな、ちゃんと入れたはずなのに・・・』



英士がバックをガサゴソとあさっていると

英士の友達の一人、若菜 結人 が英士に声をかけた。



「おーい英士〜〜お客さんだぞ〜〜」

「客?」



と、英士が言うともう一人の友人の 真田 一馬 が言った。



「あぁ・・・‘‘郭 英士はどこにいますか?’’って聞かれた」



一馬のその言葉を聞いて、英士は

誰かが自分の弁当を届けに

来てくれたのか、と安心した・・・。





スタタタ・・






「カっくーーーーーーーーん」



英士達のいる方へ向かって走ってくるのは

英士の幼馴染である、だった。



「差し入れ持ってきたよ〜〜」



と言いながら、差し入れが入っているであろうバスケットを

ブンブン 振り回しながらやってきた。







『あぁ!!
 頼むから食べ物が入ってる
 バスケットを振り回すのだけは
 よしてくれ!!!
俺の昼飯が!!






そんなことを思っていた英士のことは露知らず

結人が英士に言った。



「なーんだ、英士って彼女いたんだ〜。すみに置けねぇ〜な、このこの」



と、英士を肘でつつく結人だった。

一馬はこく、こくと頷くだけだった。



「ちっちが・・・!」



と、否定する英士だったが、それはの発言により

無意味となった。



「えーやっぱそう見えます〜?」



はちょっと頬を赤らめて、困ったような顔をして言った。



「な・・・!何言ってんの!?俺達ただの幼馴染でしょ!!」

「ひどい!カッ君!!私をそんな風にしか見ていなかったなんて・・・
 私、こんなにもカッ君のことが好きなのに・・・!」





じゃあ
 前回のあのチョコレートは
 何なんだ・・・・・!!






「英士、彼女泣かしちゃだめじゃん。
ちゃん、だっけ?俺 若菜 結人。
で、こっちが 真田 一馬。英士、きっと照れてるんだよ」

「自己紹介ぐらい自分で出きる!!」

「何だよ〜ヘタレかじゅまのくせに〜」

「・・・!ヘタレゆうな!!」

「照れてんかないっ!!」

「照れてるんだったら、そう言ってよカッ君」

「〜〜〜〜〜・・・・・・」



英士はこれ以上

何を言ってもこの三人は聞いてくれないだろうと思った。



「・・・、それ・・・いつ食べるの?」

「あっ!そうだった・・・どうせなら結人君と一馬君も食べない?」

「えっいいの!?食う食う!」

「じゃあ、俺も・・・」



がバスケットの中からちょっと大きめのお弁当箱を取り出した。

英士は、きっと中身はグチャグチャなんだろうな・・・

さっき振り回してたし・・・

と、の作業を見ながらぼんやりと こんなことを考えていた。

が弁当箱の蓋を開けた。




『!!!!????』




英士が予想していたのとはまったくといっていいほど違った。

そう、アレだけバスケットを振り回していたのに

全然、グチャグチャになっていなかったのである。




『あれ?このお弁当のおかず見たことあるような・・・』




それもそのはずである。

なんせ、家に忘れてきであろうお弁当の中身と一緒なのだから。




二人は黙々とからの差し入れの弁当を食べていた。



『ま、まさか・・・いや・・・そんなはずは・・・・・!』

うろたえる英士。



「これ本当においしいよちゃん」

「うん。うまい」



「そう?良かった。カッ君のお母さん喜ぶと思うよ〜」



「「???」」







『 
俺の弁当、抜き取った

 
犯人はやっぱりお前か!!







その後、英士は昼ご飯抜きで練習を再開したとさ。








☆ あとがき ☆

駄文ディース

こんなんでよろしかったでしょうか・・・

キリリク取った

みかんもどき様に捧げますぅ・・・


天神 魔利