ゆく年。くる年。









。葉書が届いてるわよ」

「えっ?」



初めまして私、です

リビングでぼけーっとテレビを見ていると

お母さんがニヤニヤ笑いながら一枚の葉書を差し出してきました



「結人君からよ」



私はお母さんから葉書を受け取り

内容を確認したらため息が出てきましたよ

差し出し人は私の彼氏の若菜結人

双子の兄のサッカー友達って言うかチームメイトでもあり

私たちはお兄ちゃんを通じて知り合いました

まぁ私も東京都選抜のマネージャーを務めていますけどね

今まで結人の馬鹿さ加減を存分に見てきましたが

今までにない馬鹿さ加減に私はグウのねも出ませんよ

お兄ちゃんも馬鹿だと思いますけどね・・・




ーそろそろ結人君との約束の時間じゃないの?」



そう、今日は結人と出かける約束をしていたのです

今日は12月31日、大晦日です

今日はサッカーの練習がないということなので

結人と年を越す事に勝手に決まっていました

学校が違いますから逢える日が選抜の練習のあった日と

サッカーの練習がない日だけでしたから

逢えない日がいっぱいありましたけど

私は結人のサッカーしてる姿も好きなのでいいんですけどね


問題は何故、こんな寒い中

外に行かなくては行けないのかということです

冬生まれは寒さに強いと友達が言ってましたがアレは嘘です

私も冬生まれですが寒いのも暑いもの駄目です

でも、断ろうとしたら

捨てられた子犬に見られているような感じがして言えませんでした


アレは反則です・・・

私は仕方なくコートにマフラーと手袋

耳当てをして家を出て待ち合わせ場所に向かいました

家を出る前にカバンの中に葉書を入れるのを忘れずに



〜おっそいぞー」



待ち合わせ場所で大声を出している結人

は…はずかしい・・・



「ゴメンね…待った?」

「へーき!さぁ早く神社行こうぜ」



こんな寒い中、待ってて平気なわけないのに…

結人のこういうとこ好きなんです

さり気無く優しいところが

そして私たちは神社へ向かいました




神社に着くまでの間、結人は楽しそうな笑顔で

サッカーのことを沢山話していました

話題がちょうど途切れたときに私は口を開け、声を出しました



「そうそう。結人、今年もよろしくお願いしますね」



結人は何言ってんだお前、みたいな顔をしてこっちを見てきました

そういいたいのはこっちです



「今日、結人から葉書が届きましてね、そう書いてありましたから」

「えっ?」



結人は男子にしては大きい目をさらに大きくさせていました



「普通の葉書で年賀状を出したいんだったら
切手の下に赤ペンで年賀って書かなきゃいけないんですよ?」



結人は歩いていた足を止めて

しゃがみこみなにやらぶつぶつとつぶやき始めました



「んだよ。この時期に『明けましてオメデトウ』なんて
書いてあったら年賀状ってわかるだろ!郵便局のバカヤロウ」



結人に郵便局員の方たちをけなす権利はないと思うんですけどね



「あーあ。恥さらしだ俺・・・年賀状なんて出さなきゃよかった」



そういえば・・・



「結人、なんでいきなり年賀状なんて出そうと思ったのですか?
『俺、年賀状なんて出さないからも書かなくていいぜメンドクサイし』
って言ってませんでした?」



付き合い始めてから初めて一緒に新年を迎えようって

約束していたときに(確か12月の始め頃)

そんなことを言ってた記憶があり

私は今年も出さなかったのだけれども・・・

う゛〜とうなっていた結人がうなるのをやめて

しゃがんでいるからまだ視線は下に向けながら喋り始めました



「・・・・・藤代が…言ってたんだよ」



お兄ちゃん?



「去年、届いた年賀状みてうれしそうな顔してたって・・・
でも、俺は年賀状出してないから・・・
にそんな顔させたのは俺じゃないんだなと思って
だから俺から出したらは喜んでくれるかなって・・・・・」



ビックリしました・・・

まさか結人がそんなこと考えていたなんて






除夜の鐘が鳴り始めました

新年になったんですね・・・

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

あっメールだ・・・



「ほら、結人。立ってください。新年になりましたよ」



私は、いまだう゛〜とうなっている結人の腕を引っ張ってみるのですが

やっぱり動きませんよねぇ

したら、いきなり結人は立ち上がってきて

私は引っ張るのやめててよかったと思いました



「明けましておめでとう!!!!あと、誕生日おめでとう」



そういえば、今日は私の誕生日なんですよね…

前から1月1日生まれの双子だからおめでたいって

言われ続けてましたっけ・・・



「ふひ〜年賀状は失敗だったけど今年最初に挨拶できたぞー」



あっ・・・



「結人、すみませんがそれは違います・・
・先ほどメールで『明けましておめでとう。』って挨拶されちゃいました」

「だ、誰に?いつ?」



結人・・・・・その顔で近寄らないで下さい

怖いです・・・



「先ほど結人がう゛〜とうなってしゃがみこんでいたときです
差出人は翼さんと柾輝ですね」

「あのやろう共・・・と一緒の学校だからって・・・」



結人、柾輝はともかく、翼さんの前でそんなこと言ったら

マシンガントークでボロボロにされますよ?



「でも、誕生日おめでとうとは書かれていませんでしたから」



そういうと笑顔になって私の方を見て…

結人が犬に見えますよ・・・大型犬

お兄ちゃんも大型犬ですけどね

そんなことを考えていると抱きついてきていて

尻尾がはちきれんばかりに動いてるように見えますよ・・・






そのあと、何を言っても結人は放してくれなくて

しばらくたったらお兄ちゃんが

渋沢さんや三上さん、笠井くんと初詣に来たらしく

ムリヤリお兄ちゃんが結人をはがして威嚇しながら対峙しあってて

私は仕方なく渋沢さんと三上さんと笠井くんとお参りに行って、

おみくじを引いて

お札を買って元居た場所に戻るとまだ2人はにらみ合ってて

私・・・大型犬に好かれやすいのでしょうか・・・?






POST SCRIPT


今回、和佳様との相互記念に書かせていただきました

翼さんか結人のドリームという事で、結人ドリです

美依祢、Σ初・恋愛(?)ドリームを書きましたよ・・・

実はこの主人公ちゃん

デフォルトにすると実るの『実』と美依祢の『依』で『みえ』と読みます

(変な書き方ですみません。普通に打ち込むと変換されてしまうので)

読めませんよねぇ〜あはは

そして、誠二の双子で2人の名前の頭文字をとると

『誠実』になるのです!!!(馬鹿ですみません・・・)

とりあえず、こんな変なものですみません・・・

笑って許してやってください・・・

それでは、逃げます!!!!


神月美依祢