聖夜のプレゼント






今日は12月24日

そう。今日はクリスマス・イヴ






リョーマと私は付き合い始めて数週間たった

今日はクリスマス・イヴなので

初めてのプレゼントを貰えるのかと思うと

胸がドキドキしてきた

エヘヘ。どんなの貰えるんだろ。楽しみだな〜

ちなみに私はもうプレゼントを購入済み

リョーマ、喜ぶかな?





終業式だというのに

テニス部は放課後、練習があるらしい

だから私はリョーマが部活が終わるまで

部活をみてた

テニスをしている姿は生き生きとしててカッコいい

本当にテニスが好きなんだな、と思えてくる

否、実際に好きなんだけど・・・








。ゴメン待った?」

「ん?平気。いつものことじゃない」



そう、いつものこと

いつもの日常なのだ

リョーマは部活があるから私が部活が終わるまで

リョーマのことを待ってる

多分、普通は逆なんだろうけど


「ヒューヒューお熱いねぇ〜」

「英二先輩、邪魔しちゃ悪いっスよ」



英二先輩と桃先輩がニヤニヤしながら言ってきた

3年生達は部活を引退した後もOBとして

よくテニス部に顔を出してくる

いや、ほぼ毎日



「そうっスよ。二人の時間を邪魔しないでください」


うわっ!

なんだかメチャクチャ恥ずかしい

私は顔が熱くなるのを感じた


ちゃん顔赤くしちゃってーかっわいーの」

「英二先輩、冷やかさないでください」

、行こう」




そう言ってリョーマは私の手を引き足早に歩きだした

学校をぬけて、そのまま連れられて行く

着いた場所は公園だった

夕方近いのでもう子供達はボチボチと帰っていく

噴水に夕日の光が当たって綺麗なオレンジ色に染まっていた

私とリョーマは近くにあったベンチに座った



「今日ってさ、クリスマス・イヴでしょ」

「うん」

私は笑いながら鞄の中をあさってプレゼントを取り出した

「はい。クリスマスプレゼント」

「普通さぁ・・・」


あ・・・やっぱし女の子が男の子にクリスマスプレゼントって

変だったかな・・・


「誕生日プレゼントって言って渡すだろ?照れ隠しか、なんか知らないけどさ…」



へ?

たん・・・じょうび・・プレゼント・・・・・・?

誰の?


きょとんとした私にリョーマが言った






「・・・・・・、まさかとは思うけど俺の誕生日知らないの?」



え!!?

そうだったの!?


「ゴ、ゴメン。リョーマ・・・知らなかった・・・・・・」

リョーマは溜息を一つついた

「そんなことも知らないんじゃ彼女失格だよ」

「はうぅ・・・返す言葉もありません・・・・・・・」


はぁ・・・ダメだね、私・・・・・・

一生懸命リョーマのこと知ろうとがんばってるんだけど


「あ、じゃあ明日!明日、誕生日プレゼント買ってくるから!」

「24日じゃなきゃヤダね」


ニヤっと笑って言うリョーマ

24日ってことは今日中じゃなきゃ嫌ってこと!?


「じゃあ、どうすればいいのよぅ・・・」

ムスッとした顔でリョーマに聞いてみる

「もしかして今日中だと思ってる?

 別に今日中じゃなくてもいいんだけどさ

 俺は12月24日しかプレゼント貰わないよってことなんだけど」

つまりは他の日にちじゃ嫌ってこと・・・?

「どうすれと・・・?」






「来年の12月24日にプレゼント頂戴って言ってんのもちろん倍でね」



そう、来ますか・・・

そしたら・・・



「今年は?今年はどうするの?」

「ん?いいよ今年は」



え・・・いいの・・・?

じゃあ来年のリョーマの誕生日には豪華なものあげなきゃ

ていうか、本人が倍でくれって言ってるし

あっ!そういえば



「そういえば、私リョーマからクリスマスプレゼント貰ってない!」

「あれ?そうだっけ・・・って言っても俺プレゼントなんて用意してないんだけど」


えぇ!?

楽しみにしてたのに

初めてのクリスマスプレゼント、リョーマからもらえると思ってたのに



「ん〜じゃあ私も来年!来年のイヴにリョーマから

 倍のクリスマスプレゼント貰うことにするよ!」

「真似しないでよ」


ピシャリと言いつけられる


「そんなにクリスマスプレゼント欲しかったらあげられるけど?」

「本当に!?」



なんだろ、持ち合わせのお菓子か何かかな?



「何くれ・・・・・・・・・・・・・・・・・」













え・・・

今、今リョーマさん何したの!?


みるみるうちに私の顔が赤くなっていくのが自分でもわかる

なんせ、今さっきリョーマにされたのが

キス、だったのだから

でもホッペにチュー

それでもリョーマにされたのは初めてだったから

なんだかとても嬉しい反面、恥ずかしい





「これが俺のクリスマスプレゼント、だよ。




恥ずかしくって声が出ない・・・

もう子供達もいなくなって外灯に光が灯る時間帯になった

日は沈み、辺りは暗くなっていき、とても静かだ




そんな中、どこからか声が聞こえた










「やるじゃん!オチビー」

「手がはえーな、はえーよ」

「クス。そうくるとはね・・・」

「フシュー・・・見てられねぇ・・・・・・」

「こらっ!皆!バレルだろ!!」

「手塚も来ればよかったのにな。こんなに参考になるデータはそうそうないぞ」

「やっぱ悪いよ、こういうことは」











・・・・・

せ、先輩たち!?

見てたんですか!!!?!?


「先輩たち、何やってるんっスか?」

リョーマが先輩たちのほうへ行って講義している


「いやぁー若いっていいにゃーさっ帰ろ、帰ろ―――」

「じゃあね。ちゃん。また来年」

「えっ!?あ、はい・・・また来年・・・・・・」


ゾロゾロとレギューラの人たちが帰って行くなか

私は苦笑いを浮かべて手を振っていた

あぁ!もう!穴があったらそこに入りたいくらい!!



「はぁ・・・困ったもんだよねあの先輩たちには」

「あはは。そうだね・・・」






そして、私はリョーマに途中まで送ってもらった


「あっそうだ。プレゼント開けてもいい?」

「ん?いいよ」


するとリョーマは私があげたプレゼント袋を開けて

中からプレゼントを取り出した


「・・・・・・・・・・・・・猫じゃらし?」

「そう、猫じゃらし」


私がリョーマにプレゼントしたのは

金色に輝く猫じゃらし

カルピンが喜びそうでしょ?


「カルピン用に使って」

「・・・これ、俺へのプレゼントじゃなくて

 カルピンへのプレゼントじゃん」

「え!?」








何はともあれメリー・クリスマス







***あとがき***

楽壱さまにささぐ第二段
五万HITのお祝いに・・・
あ、ありがちネタでスイマセン・・・
初めてこんな甘め?のを書いたので変かもしれませんが
受け取ってくださいませ