試験勉強






「違うよ。ここはこうなってこうなるんだよ」





テニス部レギュラーが集まって図書室で勉強してると

ふいにの声が上からした

俺が桃城に分からないところを教えている間に

手が伸び桃城に説明をし始める。



「ここはさーこうだからね、こうなるわけさ」

「・・・あっ!成る程!先輩の説明でやっとわかりました」

「どういたしましてー♪」



桃城はに礼をした

・・・確かに奴は教えるのだけは上手い



「どうしてお前がここにいるんだ

「あークニクニ。どうしてって、ボクが勉強しに来ちゃいけないの?」

「いや、そういうわけでは・・・ただ、珍しいな、と思っただけだ」



そう。が図書室で試験勉強なんてとっても珍しいのだ

コイツは勉強という勉強はほとんどしない

そのくせ、テストの点数はそれなりにいいんだが・・・



「なんかねー生徒会メンバーがボクに勉強を教えてほしいんだって」

「そうか」



成る程な

さっきも言ったように、コイツは教えるのだけは上手い



先輩はテスト勉強しないんっスか?」



桃城がに訊ねた



「んー?ボクはねー基本的にテスト勉強はしないんだよね」

「そ、そんなんでテスト大丈夫なんっスか?」

「うん。人に教えてると自分もそれを確認して自然に覚えちゃうんだよね」



教えることができるというのは本人がちゃんと

理解しているからこそ教えられるものだ

さらに人に教えることで自分もそれを確認できるということか



「副会長〜早くこっち来て教えてくださいよ〜〜」

「はいは〜い」



俺達が勉強している席の一つ向こうの席に

生徒会メンバーが座ってを呼んでいる

はその呼びかけに答えると

生徒会メンバーがいる席へと行こうと踵を返そうとした



「あ、ちょっと待ってくれないか



そこで、大石がを呼び止める



「え?何?」



は大石の方に顔を向けるが、オロオロしている

どっちを優先させるべきか迷っているのだろう



「理科のここなんだけどさ・・・どうもいまいち分からなくて・・・」

「あーうん。ちょっと待って。
 そうだ、生徒会の皆もコッチに連れてきちゃダメかな?」



は迷ったあげくに、テニス部レギュラーメンバーに視線を廻らせ聞いた



「いいっスよ」

「むしろその方が効率がいいんじゃないかな」

「俺も賛成っス!」



越前や不二、桃城、それぞれから了解の意をもらった

笑顔を向け生徒会メンバーに呼びかけに行った

そしては生徒会メンバーを引き連れてこの席にやってきた


「えーとじゃあ、まずはランラン(大石のこと)からね。
 あー…ここねぇ〜ここはね、こういう風に考えるといいよ」

「にゃ!すごいにゃ!」

「本当だ。すっごくわかりやすい」

「助かったよ

「えへへ〜どういたしまして」



何故か大石を教えてるはずが菊丸と不二も参戦して教えてもらっている



「副会長〜こっちもお願いしますよ〜〜〜」

「はいはい。今からそっち行くから、急かさないでよ姫ちゃん」

「早く来てくださいよーギャンブラーに数学教えてもらったらコイツ
 全部、金銭関係に見立てて計算するからさっぱりなんですよ」

「そっちが教えろって言ったんだろ桑射!」

「とにかくSOS〜ですぅ〜〜」



あっちでもこっちでも引っ張りだこだな

さて、俺も自分の勉強に専念するか







期末試験が終わり、順位が掲示板に張り出された



「あーやっぱクニクニが一番かぁ〜」


俺が順位を見ているとが声をかけた



「そんなこと言って、しっかりお前も20番代には入ってるじゃないか」

「うーん。でも21位だよー?一番には到底かないませんよ」

「そういえば、いつもって期末テストになると順位上がるよね」

いつの間にか隣に来ていた不二がに聞いた

「そういえば、そうだな」

俺も不二の言葉に賛同してに疑問をぶつける

「だって、中間テスト、手抜いてるし
 中間テストはいっつも平均点ぎりぎりだからね」



これを聞いて俺は絶句した



「手を抜いてるだと!?もう少し真面目にやったらどうなんだ!」

「でもさー期末テストでこうして挽回してるんだからいいじゃん?」



ケラケラと笑う

まったく、コイツは・・・

コイツには真面目という言葉がないのだろうか

いっつも、いっつも手抜きというものばかり覚えやがって・・・




真面目そうで、不真面目な奴なんだという人間は―…












+++あとがき+++

双子夢でもやりましたテストネタで〜す

魔利は人に教えられない子なので君みたいな子には憧れますね

基本的に勉強はしないで人に教えてるうちに自分も学習。

そういうスタイルを持っているみたいですね彼は。

双子は一夜漬けだったりコツコツタイプだったりしてるのですが。

ま、人間、いろんなタイプがいるってことですよ。