血縁関係






「ふぃーいいお湯だったぁ〜」





バスを一つ乗り越してからやっと家に辿り着き風呂に入ろうと

扉に手をかけようとする前に扉が開いて

いつからウチの扉は自動式になったのだろう、と思っていたら

最近では聞きなれた声が聞こえた



「あっ!リョンリョンお帰り。お風呂、先に使わせてもらっちゃった」


そう、脱衣所から出てきたのは先輩だった


「あ、いえ・・・」

「そう?じゃあボクは風呂上りの牛乳でも飲もうかなー」


身体から湯気を出しながら俺と入れ違いに脱衣所から出て行く先輩



パタン・・・




・・・・・・・・・・・・



「って、
え゛――――!!?ちょっ!なんでここにいるんっスか!?


俺は今さっき閉じられたばっかの扉を力いっぱいあけて先輩に声を投げた

なんか当たり前のように風呂から上がってきてたから普通に返事をしちゃったよ・・・





「なんでって・・・いとこだから」







・・・・・・・・・・・・・・






「はい?」




今、なんつった。この人

前々からおかしいとは思ってたけど遂に頭いかれちゃったのか!?




「あれー?ジロジロとか菜々姉とかに聞かされなかったの?ボク、菜々姉の弟なんだよ

 だから、リョンリョンとはいとこになるってわけ」


そういえば、菜々子さんの苗字は・・・

ということは、俺、こんな人と血が繋がってるってこと!?

それ、嫌すぎ・・・・・



「ほら、どことなくボクとリョンリョンって似てるっしょ?瞳の色とか」



あぁ・・・言われてみれば・・・・・・

でも、瞳の色以外は全然似てないけどね

俺は先輩のことをマジマジと見つめた

こうしてよく先輩のことを観察するのは初めてだな・・・


・・・うちの家系って結構、色素が濃いはずなのに先輩の髪は真っ白だ

光が当たると銀に見える

肌も黄色人種とは思えないほど白い。今は風呂上りなので肌はピンク色になっている

まるで全体の色素が抜けているみたいだ

先輩が黙って立っていると、とても儚い感じがする

今にも消えてなくなりそうだ


けど、実際は口を開けば変な人。動き出したら奇妙な行動を繰り返す

この人のことを知っている人には儚いなんてイメージは消え去るだろう




・・・・・・

なんか、さっきから視線を感じると思ったら・・・親父・・・・・・・・



「お・じ・さ・まー覗きだなんて、いい趣味してるねー」


親父がコソコソと俺と先輩の会話を盗み聞きしていた


「いやいや、二人の邪魔して悪かったな」

「・・・親父、本当にこの人俺のいとこ?」

「あぁ。そうだぞ。コイツはちょっと・・・まぁ、一言で言えば突然変異ってやつだな生まれつき色素が薄いんだ

 俺も最初疑ったぜ、本当に血縁者なのか、ってな」


生まれつき色素が薄い・・・

テレビで見たことあるな

そういうのを何て言うんだっけ





「あっねぇ!ジロジロ!ボク今日泊まってもいいかな?」



ジロジロってうちの親父のあだ名のことだったのか・・・


「はぁ!?泊まるの!!!?」

「別に俺は構わねーぜ」

「うわーい。カルピンと遊べる〜」

「泊まるんだったら、寝る場所はリョーマの部屋で寝な」

「はーい」

「えぇっ!!?何、勝手に決めてんだよ!」







こうして、先輩は今日、明日と家に泊まることになった











+++あとがき+++

実は主人公、リョーマのいとこだった!の巻き

いかがでしたでしょうか?

久しぶりの夢すぎて文が全然ですね・・・

それに、そろそろ主人公の容姿の全体像を出しとかないとなーと思って書き上げました

そうそう、菜々子さんの苗字って出てきてないから

ちょうどいいやって思い、主人公のお姉さんにいたしました

使えるものは使うんだ!