波乱万丈 1






5月のとある日、ボクは放送室に遊びに行った

今日の放送の当番はさんだったからだ

放送室に行くと、さんは放送をしていた



『これより合同クラスを発表したいと思います

 組分けは毎度おなじみ石川校長が生徒会の用意したくじを引いたので

 不正はありません

 まずは白組、5組・10組・11組です

 紅組、4組・7組・12組

 青組、3組・8組・9組

 そして、1組・2組・6組が黒組です

 今年の体育祭も3学年力を合わせて良いものにしましょう

 これで放送を終わります』



放送をし終わったさんは一息ついて椅子に寄りかかった

さーん!やったね!
今年も一緒の組だね!

「正直、この組み合わせは不正がありそうな気がする…」

さんはものすっごく嫌な顔をして言った。

「そんな不正があるわけないじゃないかvこれは…そう!運命なんだよボクとさんとの!」

「嫌な運命だ…」

「あっ!今年はクニクニとランラン(大石のこと)とだ〜一年ではリョンリョンもいる〜」

ボクは学年の名簿を見ながら知ってる人の名前をあげていった。

「それと、アノ双子の秋月兄弟もいるだろ」

「あぁ〜!本当だ!これはもう黒組が優勝するっきゃないっしょ!」

「確か去年も一昨年も手塚先輩と先輩がいるところが勝ったんだよな」

「うん。そだよ〜生徒会員の力は偉大ってことだよね★」

「・・・・・・・・
やっぱ不正行為してそう・・・」










波乱万丈体育祭 1











5・6時間目は体育祭の準備および役員・競技決めをするための時間に使われる

放送室でさんとお昼を一緒にしてからボクは体育館へと急いだ

体育館で各チームごとに集まってリーダーとかいろいろと決めるためだ







「とりあえず、団長を決めて、団長にこれからのことをまとめてもらいたい」

と、先生が言った

その先生の目線の先にはクニクニがいた

「では、団長をやりたい者はいるか?」


もうクニクニったら往生際が悪いなぁ

クニクニは周りを見渡している。皆が皆、クニクニを見ている

そのときクニクニとボクの目線が合った

なんだったらボクがやっちゃうよ?

という意味を込めてクニクニを見つめる

ついでに悪どい笑みなんかもつけてみた


そのときどっからかマルマルの声が聞こえてきた

「俺、応援団長ならやってもいいんだけどな〜」

いいねぇ!応援団長!ボクもやりたいな〜

そんなことを思いながらクニクニをもう一度見た

まだ、決心してないようだったのでボクは手を挙げようとした

「はい。やります」

だけど、その前にクニクニが立候補してしまった

チッ…

去年とはまた一味違くしようと思ってたのに……


「じゃあ手塚。任せたぞ

 あと、1年・2年・3年から各1名、代表、つまりは各学年の副団長を決めてくれ」

そう言って先生は笑いながら去っていってしまった

「黒組の団長になった手塚国光です

 至らないところもありますが宜しくお願いします」

「ヒューヒュー」

ここでボクはクニクニを冷やかすために口で言った。だって口笛できないんだもん

するとクニクニは咳払いしてからまた話を続けた

「では、1年・2年・3年の代表を決めたい

 やりたい人はいるか?」

ボクは後ろの方にいるであろうさんのところに四つんばいになって行った

さんやれば?」

「バカ言え、俺はこれでも放送委員の仕事で忙しいんだよ」

確かに毎年、放送委員は大変だもんねー

さんの言い分はごもっともだ

ボクとさんが話し終わったすぐ後に2年の立候補者があがった

残るは1・3年の副代表だけだ







「恭兄〜やれば?」

「やだ。めんどくさい」

先ほどマルマルと話していた子の声が聞こえた

うん。中々、癖のある兄弟だな〜

めんどくさい、だけで副代表をやらないつもりなのかな


それは無理だね


絶対、今のセリフでクニクニ、双子の兄上君に副代表を押し付けるよ

正当な理由でもない限り、嫌な仕事を抜け出すなんて不可能なことなのさっ!!



「…挙手がないのでこっちで決めたいと思う

 ちなにみ拒否権はないので文句は言わないように」

1・3年生の生徒達は一斉に顔を歪めたのが見えた





結局、クニクニの陰謀(?)で副代表に認定されてしまった兄上君

そして、以外にもシュンシュンが3年に副代表になった











「副代表も決まったので応援団を決めたいと思う。

 応援団の人数は男子10人女子10人。計20人までだ。

 やりたい者は挙手をしてくれ」



きた――――――!!!!


ボクは真っ先に手を挙げた

やはり、というかなんというかマルマルと弟君も手を挙げた

すぐに10人の枠は埋まってしまった

応援団の中でもリーダーは必要なので応援団長と副団長決めを早速やることになった

団長の立候補はマルマルとボク






「マルマル…ついに決着をつけるときが来たようだね」

「そうだね。でも…手加減はしないにゃ!!」



団長の座を巡ってシュンシュンが合図をかける

「レディーゴー!」

「「最初はグー!じゃんけんぽん!!」」


たかがじゃんけんで決着をつけるだけなのにすごい人だかりができている

はてさて勝敗は・・・・・・



「「・・・・・・・・・・・」」

二人共、額から汗が流れ落ちる

「「あーいこーでしょっ!!」」














何回ぐらいあいこが続いたんだろう

いい加減つかれてきたので、負けることにした

「かっ…勝ったにゃ……」

間違えないでよマルマル。ボクが負けてあげたんだからね

「今までずっと勝負が決まらなかったのにー!やったー勝ったぞー」

ひゃっほーい!と飛び回るマルマル



、今わざと負けたでしょ」

さすがシュンシュン見抜いてたんだ

「うん。なんかもう負けてもいいかなって」




こうして、応援団長の枠にはマルマルの名が、副団長の枠には双子の弟君の名が書かれた









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+++あとがき+++

やっちゃいました

共同体育祭!

双子のほうでもこっちの主人公が明白に出てきたので

こっちでも体育祭書いちゃえ!

って思って書いたのがこれでした

双子と被り物の体育祭を読み比べてみるのも面白かと