2月15日にて





「生きるか死ぬか特製ロシアンルーレットーーーーーーーー!!!」


部活が終り、皆が部室で着替え終わった頃。


が何かを手にいきなり部室に叫びながら飛び込んできた。


「・・・・・・・・何なの 、いきなり・・・・・・。」


の行動のおかしさ加減はいつもの事だから気にしないけど。


「いやさー、昨日、バレンタインだったろ?俺の家になんかやたらと材料が余ってて。
仕方がないからロシアンルーレット作ってみた。だから、食べてv」


食べてvと笑う にレギュラーメンバーからさぁーと血の気が引いた。


「ロ、ロシアンルーレット・・・・・・・・・。」


「・・・・お、俺今日早く帰らなくちゃ行けないんスよ・・・・・。」


「・・・・おやおや桃、そんな事言っていいのかな?この8個の内訳は、俺作成7個。 作成1個だぞ?1つは 手作りなんだぞ?」


「えっ?」


部室から出かけた桃城がその言葉に足を止めた。


「ほんとに が作ったの?」


「一個だけはな。だから、菊丸、お前も食べてくだろ?」


「・・・・・・うん。」


菊丸の足も止めさせた の言葉だったが、一方手塚は顔を更に青くしてバッと自分のかばんを掴んだ。


「逃がさないよ国光v」


が、その行動も に阻止されてしまう。


「は、離せ。」


「だいじょーぶだって!ハズレは8個中1個だけだから。」


「え?そーなの?」


「・・・・・・・・意外に少ないんスね。」


「うん。ただ、それ食べた奴死ぬかもしれないけど・・・・・。さぁ、誰からでもどーぞ。」


は笑って手に持っていた箱を開いた。


中には普通に美味しそうなチョコレートが8個。


見た目は、大丈夫そうなんだけど・・・・・・・・。


「・・・・・・じゃあ。」


「お、海堂、男だね!!」


1つ摘んだ海堂に他のメンバー続いた。


俺も1つ取る。


匂いを嗅いだりしてみたが特に変わったことはない。


誰もが取ったはいいものの食べる決心がつかないでいると。


「桃城武行きます!!」


桃がそ言う叫び、意を決したように口に含んだ。


「・・・・どう?」


「・・・・・・・・・・・・・・・あ、なんだ、普通ッスよ。」


「おー、桃セーフだな。おめでとう。さあさあ、みんな食べなさい。」


桃城の様子を見て安心したのか、それぞれ恐る恐るであるもののチョコレートを口に入れた。


俺もチョコレートを口に入れた。


ん・・・・・・・


周りは普通のチョコレート。


恐る恐る噛んでみたが・・・・・・・・・・・・・・・


大丈夫みたいだ。


「・・・・・・・・・・・おいしい。」


「・・・・・・・・平気・・・・みたい。」


同時にそう口にしたタカさんと顔を見合わせてほっと息をついた。


本当に良かった・・・・・・・・・・。


「大石もタカさんもセーフ。やっぱ、二人は普段の行いが良いからな。」


「・・・・・・・・俺も、セーフみたいだな。」


「・・・・・・俺もッス。」


「乾海堂もセーフか・・・・・。」


「俺も・・・・・大丈夫みたいだにゃー」


「なんだ、菊丸も? これでみんなセーフ?つーことは・・・・・・・・・・・・・・これがアウトか。」


は箱に残っていたチョコレートを見た。


そして、今にも部室を出て行こうとしている手塚をちらりと見た。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もちろん、逃げるなんていわないよな?国光。」


「い、嫌だ!」


「さぁさ、往生際が悪いぜ〜?」


「ふざけるな!!そんな殺人料理食えるか!!」


「だいじょーぶだいじょーぶ、死にゃーしないって!」


「信じられるか!!」


がチョコレートを手に手塚に迫る。


手塚は からどんどん後ずさっていく。


そのまま部室を一周した2人だが、手塚が部室の椅子に足を取られてそのまま後ろに倒れた。


「うわっ、手塚大丈夫か!?」


などと心配の声があがるが、 は気にした様子はない。


「フフフフ・・・・・・・・もう逃がさないぜ〜?」


は笑いながら手塚に馬乗りになる。


・・・ほら、手塚もこんなに嫌がってるし・・・・ね?」


「いーや、ダメだね!大石は優しいからそーゆーけど、俺は認めないよー?さあさ、国光口をあけるんだ。」


「・・・・・・・・。」


口をきつく結んでの手塚の必死の抵抗。


も、あれだけ嫌がってるんだから止めてあげればいいのに・・・・・・


「ほらほら、無駄な抵抗は止めたまえ。」


「・・・・・・・・・・・ 。その状態って何だか陵辱シーン・・・・・・」


「止めろ不二!!!これは普通の乙女が読んでるんだからめったなことを口にするな!!」


「は?」


「いやいやそれは管理人の都合・・・・・まぁ、とにかく!!国光、いつまでも抵抗してるとこのままちゅーすんぞー?」


「それを食べるんだったら、そっちの方がマシだ!!!!」


「「「「「「「え?」」」」」」」


て、手塚・・・・・・・・?


少し不味い思いをするのより、 と・・・・・のほうがいいの・・・・・・・・?


「知らなかったよ、手塚と はそういう関係だったんだね・・・・・?大丈夫。僕はそーゆーのに偏見ないから・・・・・・・・。」


「お、俺も気にしないッスよ!!恋愛は自由だと思うし!!」


「「え?」」


「お、俺も誰にも言わないッス・・・・」


「・・・・・・・・・・まさか、手塚が を好きだったなんてな・・・・・・・」


「ちょ、ちょっと待て!!乾!誤解だ!! !オイお前、どうにかしろ!」


「そーなのv俺たち相思相愛でーv」


「お前もふざけた事を言うな!!!!」


手塚がそう怒鳴った瞬間。


バンッ!!!!


すごい形相で飛び込んできたのは、・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今、聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・気のせいよね?」


「さぁ・・・・・・?でも、本当かも。ほら。」


不二が手塚と に示した。


「き、きゃーーーーーーー!!!何やってんのよ!! !!早くそこから離れなさい!!!」


「うわっ、お、落ち着けって 。」


「いーから早く!!!!」


俺たちがどれだけ言っても手塚を話さなかった の怒声にさっと立ち上がった


「・・・・・・・・で?人がボールの片づけしている間に、どういう状況でそんな状況になったのかしら・・・・・・・・?」


誤解!!さっきのは冗談だって!!あれは、手塚がロシアンルーレット空逃げようとするから・・・・・・。」


「ロシアンルーレット?」


「うん。ほら、昨日作ったろ?」


「ああ・・・・・・・あれ。」


「皆は食べてくれたのに国光だけ食べないからさ。どーやら、国光のがハズレらしくって。」


「ふーーーーーん・・・・・・・・。手塚君、本当?」


「ああ、ほんと・・・・・・・・・・・!?」


「・・・・・・・・・・・やっぱり、皆が食べたなら、ちゃんと食べなくっちゃねぇ・・・・・?」


はそう言って言ってクスリと笑った。


手塚が口を抑えている。


・・・・・・・・・どうやら、手塚が口をあけた瞬間にチョコレートを放り込んだらしい。


「て、手塚?だ、大丈夫・・・・・・・・?!」


「・・・・・・・・大丈夫だ・・・・。」


「え?」


が驚いた声をあげる。


は舌打ちをした。


・・・・・・・・・・・・・・


「何で!?あれ食って何で平気!?」


「何でって・・・・・普通のチョコレートだ。」


「え〜???なんで??だって、みんな平気だったって。みんな普通のチョコだったんだよな?」


「うん。普通だったよ。ただ、ちょっと酸っぱかったけど。」


「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・え?」」」」」」」」


「え?」


「えーーーーと、不二?」


「なに?」


「酸っぱいって・・・・・・チョコレートが酸っぱかったらおかしいと思わない?」


「・・・・・・・ああ。そういえばそうだね。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「でも、美味しかったよ?」


「あれが?」


「うん。」


「・・・・・・・・・・・納得いかねぇ・・・・・。」


はそう呟くとかばんからもう2つの箱を取り出した。


そして、1つを空けて不二に差し出した。


「不二、これを食え。」


「なに?」


「当たりのチョコ。」


「ふーん?・・・・・・・・ああ。これもおいしいね。」


「・・・・・・・・・・・・これも?」


は青筋を立てながら、取り出したもう1つの箱を英二に差し出した。


「にゃんなの・・・・・・?」


の手作り。」


「え?!食べていいの?!」


「ああ。」


先輩。俺もいいッスか!?」


「いいよ。食べたい奴は食べて良い。」


「やったー!」


英二と桃は同時にチョコレートを口に放り込んだ。


その後に乾と海堂、タカさんも続いた。


恐いもの見たさという奴だろう。


「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・っ!?」」」」」


その瞬間。


5人は口を押さえて部室から走り去ってしまった。


・・・・・・・・・・・なんで?


「いいか、不二。・・・・・・・あれが、正しい反応だ。」


「・・・・・・・・ ?あれ、なあに?」


「ハズレの の手作り失敗チョコ。・・・・・・・お前が食った奴だよ!!」


「・・・・・・・・そんなに不味くなかったよ?」


「ふざけるな!!俺の作ったものと が作ったものが同じ様に"おいしい"と表現されるなんて俺のプライドが許さないんだよ!!!」


「・・・・・・・・・・・ ?それはそんなにひどい味なのか?」


「・・・・・・・・・大石。食べてみるか?」


「止めとけ。大石。おそらく死ぬ。」


真剣な手塚の表情に俺は出しかけた手を引っ込めた。


「それが懸命だと思うわ。私も自分が作ったものをおいしいとは思わないし。・・・・・周助は味音痴なのね・・・・・。」


「そんなことないよ?」


「いーや、そうだね!!俺はもう絶対不二になにも作らん!!! に作ってもらえ!!」


はよほど怒っているようだ。


、そんなに怒らなくても・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・いや、 の気持ちは分かる。"アレ"と自分の料理が同列に扱われたんだ。仕方がない。」


「ひどいなぁ・・・・・・それじゃあ僕が悪いみたいじゃないか。」


「お前が悪いんだよ!!もう知らん!!俺は帰る!!」


はそう怒鳴るとかばんを手に部室から出て行ってしまった。


「・・・・・・・あーあ・・・・・・・。あれはまずいわね。 、料理は得意だからショックが大きいみたいね・・・・・・・。
さて、私も を追いかけないと。あ、 の作ったの、食べていいわよ。菊君と桃君にもあげてね。口直しに。」


「あ、ちょとまって。 。」


「なぁに?」


「これ、僕もらってって良い?」


不二は の失敗作だというチョコの箱を持って言った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別にいいケド。どうなっても、私、責任は追わないわよ?」


「大丈夫だって。美味しかったもん。」


「そ、そう・・・・・・・・・・・なら好きにするといいわ。」


「ありがとう。」


「じゃあ私帰るわね・・・・・・。」


が部室を出て、手塚が大きく溜息をついた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんだかしっちゃかめっちゃかだな・・・・・・・・。」


「ああ・・・・・・・・収拾つかなかったな。」


5人が飛び出していく時になぎ倒した椅子や机の上に積んであったノートやらが散乱し、
ぐちゃぐちゃになった部室を見て俺と手塚はそろって再び溜息をついたのだった。







Fin


ヴァレンタインということで。
ヴァレンタイン話はもう書いてあるので、その次の日の話だったり・・・・・・・・。
というか、すいません。やりたい放題やっててまとまりのない文章になってしまいました。

ってか、15日って日曜日?・・・・・・・・休日も部活あるよね???












フリー夢だったので強奪してきちゃいましたv
いやはや、やはり凄いですね!不二様は!
あんなに不味いチョコレートを作っちゃうお兄さんも凄いですけど・・・

                                by 天神 魔利


まず、
さすが不二魔王様っ!!!
と思ってしまいました。
誰もが嫌がるアノ料理を普通に食べてしまうとは…
1度不二魔王様をバラしてみたいですねぇ<えっ???

                               by 神月 美依祢