Twins .レギュラー対決 4










「やーい、オレの勝ち!!
 乾―――っ!たーっぷり
 おチビに特製汁を・・・・・・」





全身を使って勝った喜びを表しているお菊先輩に

リョーマはテニスボールをパコンと頭に当てた


負けたんだから潔くアレ飲めばいいのに…

俺だって飲んだんだからね!!!

この負けず嫌いさんめっ!



「よーし集合!!都大会の組合わせが決まったぞ!!」



竜崎せんせの集合の声と共に、ホワイトボードが持ち運ばれた



、俺はそろそろ行くよ」

「ん。迷惑かけてごめん」



伊吹は兄が返事を返す前にスタスタと歩き始めていた



「迷惑はかけられていない。心配はしたがな」

「・・・・・・・・次、兄の試合だよ?やってないの兄だけだし。伊吹は見ないの?」



伊吹は振り返って俺の発言にビックリしたような表情をしたけど

すぐにいつもの表情に戻った




「・・・俺と一緒にいたいのか?」

「んなワケないじゃんっ!!」



意地悪く笑って言うもんだから思わず大声を出していたらしい

ほんの一ミリもコイツと居たいと思ったことなんて決してない!

断じてない!

ありえない!



!!さっさとこんか!」



それが竜崎せんせの逆鱗に触れたらしい…



「ふぁ〜い」



ちらりと伊吹が居た方へ振り返ってみると伊吹の姿は見えなかった

っていうか兄?

お願いだから行くとき声くらいかけてよ・・・












「さあ、いよいよ9日後だ!!選ばれし108校、どこも強敵だ!
 関東大会に行けるのは、今年は5校!!」




へぇ〜・・・108校もあったんだ

青学はシードだから、試合数が少ないね。うん



「いーかい、狙うは優勝のみ!気おってヘボるんじゃないよ!!」

「当然!とりあえず、そんな組合わせより・・・目の前の敵を倒したいなぁ・・・」



おおっ!リョーマ強気発言だねぇ!

俺も負けないよ!!試合には出ない兄の分もね!



「よし、練習再開だッ!!」



手塚ぶっちょの号令のもと、各部員達が動き出した

けど・・・



「ただし、越前は飲んでからだ!」



リョーマのみ、追加命令が出される


手塚ぶっちょ・・・

リョーマが、さり気なく離れていったのをちゃんと見てたんだ…

抜け目ないな…




、ケンタは部活に行ったんだよ」

「へ・・・兄、いきなり何?」

「別に、なんか気にしてるみたいだったから」



・・・・・気にはしてないと思うけど

ちょっとだけ見直したっていうか…なんというか・・・

ハッ!

だからって好感を持ったわけではないよ!?



「っていうか部活さぼってたの?」


「ケンタにも心配かけたからね」











******





「次、VS海堂」





ざわついていた周囲が一瞬にして静かになった



兄!頑張ってね!!」

「ん」



はガットをいじりながら首肯してコートに向かって歩き出した


「よろしくお願いしますね」

「負けねぇ」



コートからそんな会話が聞こえてきた

でも、の実力は確かなものだと思う

休みの日とか、一緒にウチのコートで打ち合ったりするから

他の人よりの実力は知ってるつもりだし


レギュラーの人たちはの腕前をちゃんと見たことないから

その実力を見極めようとしてる




「GO!」



乾先輩がサーブをしたボールが目の前を飛んでいった

海堂先輩はと対戦したときと同じようにスネイクを放った



「おいおい〜マムシ、弟のときにスネイクは意味がねぇってわかっただろうがよー」



桃先輩が海堂先輩を馬鹿にしたように叫んだ

はなんなくワンバウンドしたボールを打ち返したように見えた、俺には

でも、それは違った

が打ち返したボールは地面をワンバウンドすると

高く上がると思っていたのに反して

地面スレスレをかすめるようにフェンスの方に飛んでいった


それは、地区大会の時に見せた不二先輩の得意技

トリプルカウンターの1つ『ツバメ返し』だった


海堂先輩は驚いたように遠ざかっていくボールを振り返って見ている

確かに、アレにはビックリする

俺もツイストサーブをコピーされたときは驚いたし

そのあと聞いた『はコピープレイヤー』ってのにも驚いたけど…

は何事もなかったようにこっちに向かって歩いてきた



兄って、そんなにあの汁飲みたくなかったの?」



隣からケラケラ笑う声が聞こえた



「確かに、って好き嫌い多いからね」

「作るこっちとしては毎日大変ですよー」

「悪かったね」



はちょっと顔をしかめて、でもアレは飲みたくないから…と小声でつぶやいた

身をもって体験した俺としてはもう二度と飲みたくないね







オマケ






菊丸:「なになになに!?ってツバメ返し打ってたの?
    さっきの不二の技だよねぇ??」


不二:「うん、そうだね…」

乾:「キョウ・シルベクトリはコピープレーヤーって言わなかったか?」

桃城:「聞いてないっスよ!」

手塚:「だから地区大会の決勝のとき笑っていたのか?」

大石:「確かに、笑っていたな…」

桃城:「手ごわいっスね」

手塚:「ああ。それと、不二、このゾーンゲームではツバメ返しは禁止だ」

不二:「うん。わかった」

乾:「じゃあ、海堂。これを」

桃城:「負けちまったもんなぁ、マムシ」

海堂:「・・・・・っス」







POST SCRIPT


長かったレギュラー対決もやっと終わりましたー

なんかケンタが出張ってると今、思いました(愛故だ)

はじめて兄の技が公開されましたね〜

…とりあえず、コピー系のがね。

ドンドン双子を活躍させたいですな。

これから都大会編デスね…

大学にバイトにイロイロありますが、頑張ってみたいと思います・・・ハイ