Twins .懐かしの君 










兄ー!お願いがあるんだけど〜」



が某CMの「おてての皺を合わせて南ー無ー」の

ポーズをしながら頼んで来た

これを見てのことを可愛いという学校のクラスメイトのことを思い出した

・・・・・・・どこが?

血が繋がってるからそう思うだけなのかなぁ



「夕ご飯で使うお醤油が無くなりました!買ってきてください」



手を顔の前で合わせながら首をかしげる

・・・・別に



「いいけど」



今日は久々に部活がない日

といっても、明日は都大会だから十分な骨休めをしろってことだけど

・・・・・帰りに本でも買って帰ろうかな

最近本屋に行ってないし、新刊出てるだろうし



・シルベクトリ?」



久しぶりにその名前で呼ばれたなぁ

というか、誰?

俺の名前を呼んだと思われる

あの泣き黒子とその集団・・・近寄りたくないな



、だろ?」

「・・・・・・」



向こうは俺のこと知ってるみたいだけど

顔見ても思い出せない、いや、どこかで見かけたような…



「誰ですか?」



泣き黒子の額に血管が浮かび上がった



「怒ったらあかんて」



後ろにいた黒髪メガネの人が泣き黒子さんを宥めた

京の人かな



「跡部景吾だ」



・・・・・!

跡部家の跡取りか

向こうにいたとき、二度ぐらいパーティーで見かけたことあるな



「まだ思い出せねぇのかよ」

「いえ、思い出しました。パーティーでお会いしましたよね
 お久しぶりです」

「今はこっちにいたのか」

「ええ」



跡部さんは意外そうに聞いてきた

そんなに意外だろうか…

まぁ、あの家じゃそう思われても仕方ないか



「なぁ、跡部。ええ加減、知り合いさんに
 俺らの自己紹介させてくれへんかなぁ」



この場合知り合いと言うのだろうか・・・

黒髪メガネの関西弁の人が跡部さんの肩に腕を回した

その後ろで独特な髪型をしている人が

こっちをじーっと見てきてる



「・・・・チッ」

「ほな、景ちゃんはどいてなぁ
 俺は忍足侑士ゆーねん、よろしゅうな」

「向日岳人ってんだ、・シルベ・・・・」

「シルベクトリ」



忍足さんが小声でフォローしたんだろうけど、丸聞こえだ



・シルベクトリ!よろしく」


笑顔の大放出


「宍戸亮」


長い髪、俺もアレくらい昔はあったかな


「鳳長太郎です。よろしく、くん」


体は大きいけど、雰囲気が穏やかで人のよさが窺える


「芥川滋郎だよー、ふああー」



欠伸している。眠いんだろうか

でもなんで、



「樺地です」



この大きな人に担がれているんだろう

怪我してる様子はないし

たんに眠いだけで歩くのが危ないだけなのか

たぶん後者だろうな

むしろこの光景はこの人たちにとって日常茶飯事の光景なのか?

しかもこんな団体で歩いて…なんて迷惑なんだろう



「ちなみに俺らは、氷帝に通ってるんやけど
 そちらさんはどこに通っとるん?」

「お前、なんで日本にいるんだ?」



忍足さんの問いに被せるように

今まで黙っていた跡部さんが顔をしかめて聞いてきた

忍足さんは、「またか」みたいな顔して肩をすくめる



「まぁ、国籍は日本人ですし、今は青学に通ってますから」



青春学園ってフルじゃ言えないよね

恥ずかしすぎて

青春をこの時期に十分謳歌しろってことなのかなぁ

父さんに聞いたときは思わず向こうに帰ろうかと思ったけどさ

今更だけど、何で父さんは青学をチョイスしたんだろう

今度、聞いてみようかな

でも、まともな返答は期待しないでおこう。なんせアノ父さんだし…



「青学なんですか?」



鳳さんがさっきよりトーンを落として、なんだか落ち込んでる…?



「っていうか、なんで日本にいることがおかしい
 みたいな言い方さっきからしてんだよ?」

「コイツはフランスjr大会の4連続優勝者だ」



氷帝の人たちの俺を見る目が変わった



「すっげぇ!跡部よりも強いのか?」



目を輝かして見てくる向日さん

よくも何かをねだる時はこんな目をしてるな…

同じ精神年齢ということだろうか…?



「……跡部さんとやったことないですから、どうでしょう」



というより、跡部さんのプレイを見たことないけど…

むしろテニスやるなんて知らなかった



「やっぱプロ目指してるのか?」

ちゃん、テニスやろー」



宍戸さんの質問を遮って芥川さんが叫んだ



「ジロー、やっと起きたと思ったらそれかよっ…」



宍戸さんが耳を抑えてる

隣りにいたから五月蠅かったのだろう



「だって〜」

「俺、買い物の途中なんで…」



無理ですと続ける前に



「ラケットなら貸してやるよ。お前の腕が落ちてないか見てやる」



跡部さんが遮った

そういうつもりで言ったんじゃなくて

早く帰らなきゃになんて言われるか…



「やった〜☆」



了承はしてないんだけど…

それとも何を言っても無駄のような気がする…



「ほな、そこにあるテニスコート行こか」



俺の腕を引っ張って連れていかれる



「よ〜し、頑張るぞー」



腕をブンブン振り回して「負けないぞ〜」と独り言を叫んでる

芥川さんに向かって



「その前にジロー、樺地がら降りろよ…」



宍戸さんの呆れた声は多分回りにいた俺らの思いも代弁したようだった



「だから買い物の途中なんで、速く帰らなきゃならないんで無理です
 味の薄い夕食は食べたくないんです」



きっぱり言うと氷帝の皆さんはなんとも言えない顔をした



「・・・・・じゃあ、連絡先教えろ」



跡部さんが携帯を取り出した



「はぁ…」



赤外線でアドレスを交換する

道のど真ん中で何やってるんだろうなぁ



「では」



頭を下げてこの場から離れようとした



「おい、青学の連中に伝えとけ
 勝つのは氷帝だってな」

「それは無いと思いますが、まぁ伝えときます」



早々と立ち去った。周りの視線が痛かったなぁ

本屋に行くつもりだったけど・・・・・・やっぱ行こう






本屋に立ち寄って、購入して、醤油買って、家に帰ってきた



これ」


醤油を渡す


「ありがとー!」


あぁそろそろ洗濯物取り込まなくちゃ


兄、何かいいことあった?」



が醤油を抱えながら覗き込んできた



「ただ、昔にあった人と会っただけだよ」

「ふーん」

「その人が氷帝の人で、青学に勝つって言ってたんだ」

「ほう、どことでも負ける気ないけどね!」

「うん、まあね。それ、言うと思った」

「そういえば、ヒョウテイって氷の帝って書くんだよねぇ」

「確かそうだったと思うけど?」

「…格好よくていいね」

「俺も最初思った」







POST SCRIPT

次は都大会って言ったのに。

本編で言うカルピンの休日(だっけ?)を書いてみた。

本気で、漫画を買おうかと思った。記憶がない!!

大学の友達が持ってたんで借りました。

これからもちょくちょく借りたいと思います。

現時点で沢山借りてるよ、あんた。

っていうか、今までのに比べると長くない?