Twins 番外編   理科の実験








「リョーマ リョーマ次、理科で実験するんだって!!」


と言いながら青学テニス部のルーキー、リョーマの机で

嬉しそうに跳ねているのは同じくルーキーの   である。


「俺、兄のところいってくる〜〜〜♪」


と言っては2組の教室を出て行ってしまった。

実は今日の実験は1組と2組の合同実験なのだ。







そして、1組の教室では

兄、一緒に理科室に行こっ!」









「あれ?」


と小首を傾ける

教室にいるであろう人物、の双子の兄のがいないのだ。


「あっ君、お兄さんの方なら授業終わるとすぐに理科室の方に行ったけど」

「えっ・・・」


そう、実はが来るであろうことを予測してさっさと一人で

理科室に行ってしまったのだ。


「そんなぁ・・・せっかく兄とリョーマと一緒に行こうと思ってたのにぃ・・・」


しょぼくれる。耳がついてたら垂れているだろう。


いないの?」


そこにやってきたのはリョーマだった。


「うん。さきに行っちゃったんだって」


の言葉を聞いてリョーマはの心中を察知した。


「ふーん・・・じゃあ早く理科室に行こ」

「あっうん・・・・・・あ、教えてくれてありがとね」


の行方を教えてくれた女子に笑顔でお礼を言う


「いっいいのよこれくらい ////」


顔を朱に染めている女子を不思議そうに見つめて

はリョーマの後ろをついていったのである。


『黙ってればかわいいのに・・・』


と思う女子生徒だった。

















ガラ



「あーいたいた兄」


理科室にやってきたとリョーマはもう既に席に座って読書をしているを見つけた。

をみるなりは 『来たか・・・』という顔をしている。


「あっ!1組と2組を合わせて名前の順になってる

 ということは、俺 リョーマと兄と一緒の班だ」


わーい、とはしゃぐ







そして、理科の授業が始まった。

今日の理科の実験はマグネシウムやら鉄などに火をつけて

炎の色が何色になったか、という実験をやるらしい。


「それじゃあガスバーナーに気をつけて実験を開始してください」


理科の先生の合図で皆、いっせいに実験にとりかかる。


「えへへへへへv実験だ〜〜vv」

「そんなに実験好きなの、?」

「うん大好きさ〜〜」


「実験狂だけどね・・・」


ポツリ、と吐いたの言葉には残念ながらリョーマの耳には届かなかった。



リョーマとは順調に実験をおえて記録をとっていた。


かに見えた・・・






ボワッ!!!!!






いきなり七色の光が辺りを包み込んだ。

そして理科室中を変な臭いがする煙がたちこめた。

窓際にいたとリョーマが真っ先に窓を開け異臭を逃がす。

下敷きで異臭を逃がしながらは叫んだ。


!!!お前、今回は何をした!!!?」


この事態を引き起こした張本人も驚いていた。


「すっごいよー兄!!
乾汁を熱したら七色の火がついたよ!!」


「何で、いつも
いつもいつも!こう厄介なことしかしない訳!?」

「だって・・・こう・・・俺の中の実験魂が・・・・・・さあ」


「あぁもう!実験終わってたんだからさっさと片付けりゃあよかった・・・」


と言いながら、実験器具を片していく


「だ、ダメーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


そういって、にしがみついてきた。

そのやりとりを煙を追い出しながら見ていたリョーマは

いいしれぬ恐怖が走った。

の目がいっちゃってたのだ。

そう、それは麻薬中毒者は麻薬がなければ生きていけないという風に

も、実験器具がなければ生きていけないというほどの勢いだったのだ。


「か〜え〜せ〜〜〜俺のガスバ〜ナ〜〜〜」


「ダメ。越前君パス」

「はっ!?」




「ガスバ―――な――――――!!!」




ガスバーナーがリョーマの手に渡ったことでの標的がリョーマの方に変わった。


「越前君。それをに渡したら、世界の滅亡だと思いなよ」


あの、がここまで必死になってガスバーナーをの手中におちないようにしている。

これはただ事じゃない、と思ったリョーマは必死にガスバーナーを守っている。


はたから見ると、理科室で鬼ごっこをしているようにしか見えない。


そんな中 はというと、ハリセンを取り出したではないか。

そしての背後をとると一言








「天誅!!!」







スパシイイイイイイィィィィィィィン・・・・・









と、こんしんの一撃をの頭部へとくらわせたのだった。

そのままは意識をとぎらせて夢の中へと飛びだって行った。


の暴走が収まってひと段落しているところにガスバーナーを持ったリョーマがやってきた。



「ねえ・・・毎回毎回、理科の実験になるとってああなるの?」

「そ。いつもああなって理科の実験の授業はまともにできなくなるんだよね」

だから、実験なんて嫌いなんだ・・・



の過去の苦労が手に取るようにわかってしまったリョーマは

心の中で ご愁傷様・・・ とつぶやいたのだった・・・













そして時は流れて昼休み。



「はあ。なんで理科の実験になると何も覚えていないんだろう・・・」


「えっ!?、覚えてないの!!?」

「う〜ん・・・そのときの記憶だけ綺麗さっぱりと・・・」


このの発言によりリョーマは

これはある種の記憶隠蔽術ではないだろうか・・・

と思いながら隣でご飯を黙々と食べているに視線を向けていたリョーマであった。













+++あとがき+++

あー

やっと書けたよ

みい君のキリリク

は実は実験狂です

が実験狂なせいで君は

実験が嫌いになったというわけです

双子夢初めて書いたよ、わたしゃあ・・・


天神 魔利




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