Twins.番外編 入れ替えっ子










朝・・・起きてみたら大変なことになっていた・・・・

なんで、こんなことに・・・








俺と不二先輩は共同実験をやろう、ということになって都大会が終わったその日に

俺と不二先輩が作った薬をそれぞれ交換しあった

俺の薬は不二先輩に不二先輩の薬は俺に、といった具合にだ

その薬を他の人に飲ませ、薬が完璧かどうか確かめ、それを薬を作った本人達に報告するのだ



薬は非常に味も見た目も牛乳によく似たものだった・・・

休みが終わるまで俺は牛乳を飲んでいないはず

なのにどうして俺がになっているんだろうか



パタパタパタパタパタパタパタ・・・



この足音・・・っていうか走り方はだな…



ガチャ



兄ー朝だよー起きなよーご飯でけたよー・・・・・・・あり・・・?」

俺の部屋でが叫んでいる

俺はしょうがないのでの部屋から出た

俺が出てくるのに気が付いたのかがこちらに振り向いた




「ぎょえ〜〜〜〜〜ドッペルゲンガ〜〜〜〜〜!!!!??」




あぁ・・・朝っぱらから煩い・・・











「と、いうわけなんだ」


俺は朝食を食べながらことのいきさつを俺になってしまったに話した

今朝の朝食は和食だ。鮭に焼き海苔に金平ゴボウ、サラダあと主食のご飯とシジミとアサリが入った味噌汁


「じゃあ、俺と兄が入れ替わったのはその牛乳に似た薬のせい!?ていうか、そんな変な実験しないでよ!

言ってくれれば、その薬、昨日のシチューなんかに入れなかったのに!」


それでか・・・

「しかし、何でこんなことになってるって気が付かなかったんだ?」

鏡見ないの?

「あー・・・うん。・・・たぶん、寝ぼけてたからだと思う」

・・・そうか・・・・・・・・

「それにさー学ラン置いてある場所もベッドや机とかの配置も俺の部屋と一緒だから自分の部屋だと勘違いしてたみたい」

「ふ〜ん」

まぁ、確かに俺の部屋との部屋は似ている

俺とは性格こそ似てはいないが生活面では似ていることが度々ある。・・・認めたくないけど

例えば、歯を磨く時とか必ずといっていいほど揃う

これには越前君も驚いていたほどだ

他にもいろいろとあったような気がするけど、今は別に話さなくてもいいだろう


「ねぇ、兄。これさぁ戻るの?」

「うん。一日経てば戻る・・・ハズ

「はず・・・」

「うん。ハズ」

しばらく無言で食事を続ける


「学校どうする?行く?休む?」

「いや、学校は行かなきゃダメだろう」

「だよねぇ・・・ということは俺、兄になりすまさなきゃいけないんだ・・・」

ということは俺はに・・・?

なんだか急に困難なことになってきたな

しかし、性格が違うだけでこんなにも・・・


「こうして見ると父さんにそっくりだな」

「そっちこそ。こうして見るとリレン母さんにそっくりだ」


・・・母さんか・・・・・・今度、墓参りにでも行こうかな











今日は幸いにも朝練がないため

ケンタと鉢合わせないようにいつもより15分遅れて学校に行った


キーンコーンカーンコーン・・・・・・・


ガラッ!!


チャイムと同時に越前君が教室に入ってきた

・・・テニスバッグを持っていないようだけど、どうしたんだろう


1時間目の英語の時間、越前君は思いっきり頭をぶつけて先生に目をつけられていた

「越前、お前また寝ていたのか」

またってことはいつも寝てるんだ

「23ページの2行目と3行目の英文を和訳してみろ」

越前君は帰国子女だからこんな和訳楽勝だろう

「・・・教科書、忘れました」

「忘れた?あるじゃないか教科書」

「これは来栖先輩のっス。今朝、用意してたら先輩のと俺のとが入れ替わったみたいっス」

入れ替わった・・・?

何かが引っかかるなぁ・・・

「なんだお前等、同居でもしてんのかー?」

「はぁ。まあ、そんなところっス」


「え?まさか・・・あの二人できてたの!?」
「えー!?えーウソー」
「同居だなんて、そんな・・・!」
「どっちが押しかけたんだ?」
「越前君と先輩ってどういう関係!?」



越前君・・・同居って・・・・・・否定しないのかなぁ・・・?

今日の越前君はなんかおかしい










はぁ・・・やっと授業が終わった・・・・・・

途中、越前君に「今日の、変じゃない?」と、疑われたりもしたけど、やっと放課後だ

かつて、一日をこんなに長いと思ったことはあるだろうか、いや、ない!

あとは部活だけ


「・・・・・・?」

トントン、と肩を叩かれたので振り返ってみる

兄、軽く打たない?」

肩を叩いたのはだった

「そうだね。軽く打とうか」

慣れない身体だから今のうちに打って慣らしておこう


数分たった後、学ラン姿のままの手塚部長が来て

「今日は自由に打ち合っていい。後は乾の指示に従ってくれ」

と言った

ペアは誰でもいいらしい


〜一緒にやろ!」

「いいですよ」

は菊丸先輩とやるみたいだ

「それじゃあ君。僕とでいいかな?」

「はい」

俺は不二先輩とペアを組んで試合形式の打ち合いをした



パーン

パーン

パーン




打ち合ってから数分がたった

いつものだったらここら辺でバテてたハズ・・・

でも、まだ体力は有り余ってる


「・・・先輩、もう辛いので休憩にしましょう」

「そうだね、休憩にしよっか君」

あぁもぅ・・・この人には敵わないなぁ・・・

不二先輩はとっくのとうに俺とが入れ替わっていることに気づいてたらしい


ふ、と俺は隣のコートを見てみた

菊丸先輩とが試合形式の打ち合いをしているコートだ



「あれー?いつもよりキレが悪いんじゃないー?」


パコーン


菊丸先輩のアクロバティックで球を返す


「今日、調子悪いんですよ」


パコーン


なんだか楽しそうに打ってるなぁ

きっと内心、先輩のアクロバティックに大喜びしてるんだろうな・・・

それにしても、菊丸先輩とやってる時は随分と長続きしてる

大抵の選手だと5分くらい打ってると飽きちゃって打ち合いを放棄するのに

バテた、とか何とか言ってさ

まったくアイツは・・・楽しさがピークに来ないと本領を発揮しないんだから


のあの飽きっぽさはどうにかならないんだろうか・・・

今のところ料理と家庭菜園と語学関係のことは長続きしてるけど

確か前によく飽きないで毎日料理を作ってるな、と聞いたら

料理は色んな発見があって面白いって言って・・・

観賞用植物には水をあげないのに家庭菜園のほうはよくこまめに手入れしてるな、と聞いたら

観賞用植物って日がたっても姿形が変わらない。家庭菜園は上手く実がなるかどうかという育てる楽しみがある、とか言ってたな・・・

語学関係はきっとすべての言語をマスターしたら、そのうち言語を覚えるのに飽きた、とか言うんだろうな・・・




「桃先輩!頭上注意!!」


越前君の声がしたコートの方に顔を向けた



ドカッ!



うわ・・・痛そう・・・・・・

「ひぇ〜・・・痛そう・・・桃、大丈夫かにゃー・・・?」

菊丸先輩が言った

もしかめっ面をしている(俺の顔で)

不二先輩は涼しい顔をしていた。さすがだ

桃城先輩の顔面にはボールがおもいっきりくいこんでいる

越前君あんな技、使えたっけ・・・?


「あちゃーだから言ったのに・・・」


そう言うと越前君は顔に手をやった

すると、越前君は何かに気づいたのか早足にコートを出た

不二先輩も越前君を追うようにコートから出て行く

・・・こっからじゃあまり見えないけど、その先には帽子を被った人がいた


その後、乾先輩がグラウンド30周をするように言ってきた

はなんだか嫌そうな顔をしている

本人いわく、ランニングは走っている時、景色がたいして変わらないからすぐに飽きてしまうから嫌なんだそうだ

それにメンドクサイと言っていたな

まったく誰に似たんだか・・・・・・









部活が終わりやっと帰宅できた


「うーあーやっと兄のフリしなくて済むー!!」

と言って腕を伸ばす

「ケンタにはバレなかった?」

バレても別にいいんだけどさ

「あー・・・多分、ダイジョブ。適当にごまかしておいた」

「ふーん・・・」



こうして長い長い一日が終わりを告げた












次の日


朝、起きてみたら元通りになっていた

あぁ、よかった・・・


俺は朝練のときに不二先輩に実験の結果を報告した

結果、俺と不二先輩の作った薬は成功。改善のよちはなし

そして、俺は薬を作る際に不二先輩から借りていた黒魔術の道具を返した


教室に行ったらケンタが挨拶をしてきた

「おはよう。もう弟とは仲直りできたのか?」

「え、あ・・・うん」

仲直り・・・?


「そうか。まったく、シジミかアサリかでよく喧嘩ができるな」


適当にごまかしておいたって・・・このことだったのか・・・・・・

この喧嘩、たしか入学する前にやったな

確か両方とも味噌汁に入れるってことで解決したんだっけ











+++あとがき+++

うわー久しぶりに書いたー(何か毎回言ってるな・・・)

web拍手で双子で入れ替わりネタしてくださいっていうリクエストがきたので書いてみました〜

実は、被り物でもやったから双子でもやろうかな〜と思っていたところだったんですよ〜

その矢先にこのリクエストがきたときは叫びましたね。

来た――――――――!!!って(笑)

このお話し、ちゃっかし被り物と連動していたりします。

音葉さん、リクエストどうもでした!