Twins.番外編 いつも一緒










関東地方を中心に大地震が発生した。

ここ、青春学園も例がいなく地震に襲われた。



「あーびっくりした」



はひょっこりとテーブルの下から顔を出した。

そして何か物が壊れていないか見渡す。

の視線がある一点で止まる。

そのまま数十秒固まっていると



「あ゛―――――!!!!」



盛大に大声をあげた。

その大声を聞いたの双子の兄、がリビングにやってきた。



「どうしたの、何か壊れてた?」

兄…どうしよう正義パパに顔向けできないよ」



は半泣きになりながらあるものに指をさしている。

そのさしている方向に目を向けるとはさっと顔が真っ青になった。



「どうしよう兄…この事知られたら……」

「わかってる。俺も、もうあんなことになるのはごめんだからね」



二人は父である正義の制裁を思いだし顔を真っ青にさせて明後日の方向を見つめ出した。



「と、とにかくバレなきゃ平気だよね。そうだ!たしか瞬間接着剤があったはず」



は急いで接着剤をとりに行った。








何で、こんなことになっちゃったんだろうか・・・

俺はそんなことを思いながら兄と俺の手を見る



「授業とかどうするの?兄?」

「どっちか一方の教室で受けさせてもらうしかないよ」



兄は溜息をついて言った

と、いうことは今日はずっと、ず〜〜〜〜と!

兄と一緒に居られるってことだよね!

ウワーイ!!



「今日は一日学校でもと一緒か・・・」



はぁ、とまた溜息をつく


「そんなに溜息ばかりついてるとせが逃げて行っちゃうよ?」

「誰のせいだと思ってるんだよ」

「まさか、俺のせいだって言いたいの!?
 
 市販の接着剤に黒魔術で作った接着剤を入れる兄が悪いんだよ!!」

「そもそも、があの地震で結婚祝いの寿皿を死守してればこんなことにはならなかったんじゃないの!?」



「「地震のバカヤロー」」




俺と兄は声を揃えて地震に向けて暴言を吐いた


昨日の大地震で割れた我等がお父様とお母様の結婚祝いの寿皿を復元しようと取り出した

瞬間接着剤のせいで、今、俺と兄の右手と左手はくっついていて離れない

兄が言うには24時間後に取れるはず。とのこと

だから今日の夜9時頃にならないとこの手は兄と繋がったままなのだ



「おはよう、

「おっはーリョマ!」

「おはよう越前君」


いつも通りに教室のドアを開けて教室に入ると珍しくリョマが早く来ていた

あれ?そういえば、兄の声もしたような…

あ、そっか。兄は多分、俺のクラスに居候する予定だったんだっけ


「なんでもいるの?」

「今日はちょっと理由があってね」

「そうえいば…何その手…?」


リョマが指をさしたのは俺と兄の繋がれた手を隠すために巻かれたタオル

しょうがないのでリョマには昨日、何が起こったのかを話すことにした


「昨日の地震でぐわーって揺れて正義パパが大事にしてた皿がガッシャーンって割れて、それを直そうとしたらくっついちゃったんだ」

「…、もうちょっと詳しく言ってくれないとわかんないよ。まぁ言いたいことは大体わかったけど」

「わかったの?越前君」

「これでも付き合い長いんでね…」

「…ん。ご苦労様」


兄はリョマの肩をポンと叩いている

それから詳しい内容を兄がしていった

話しを聞き終わったリョマが目を見開いて驚いていた








「え…その割った皿って、テレビの上にあった

 
ものすごく、ごてごてしててとんでもなく

 
恥ずかしいデザインの、あの皿!!?











リョマの声に二人して頷く



「あの皿すっごく大事にしてたからなー壊れたこと知ったらどんな制裁されるやら…」

「想像しただけで身の気がよだつ…」



二人して鳥肌が立っている両腕をさすっている

そんな俺達の息ピッタリの行動にリョマはちょっと感心してる

ん?おかしいな

俺の右手、兄の左手と繋がってたはずなのに…

俺と同じく兄も違和感に気づいたらしく視線を俺の右手へ、そして自分の左手へと移した

同じように俺も視線を動かす

リョマもまじまじと俺達の手を見ている


「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」


三人してしばらく間、黙って手を見つめていた

とれてる……






「「とれたっ!!!」」





俺と兄は、感動の余り声をあげた


兄!とれたよ!」

「あれ?効力は24時間後じゃなかったっけ?」

「うん。そのはずなんだけど…もしかしたら12時間タイプのものだったのかも」



それって、裏を返せば

1時間タイプや3時間タイプや1年タイプの瞬間接着剤があるってこと!?

よ、よかった半日タイプで…


兄と一緒にいられることは嬉しいんだけど

私生活に支障が出るからなぁ…

でも、昨日は楽しかったな

手がくっついてからはお風呂もベッドも一緒だったし

兄弟の絆を深めるいい機会だったな!うん!


一時間目を告げる鐘の音が響くと兄は急いで自分のクラスに行った

んで、部活の時に兄に「大丈夫だった?」って聞いたら

「初めて遅刻がついた」

って、冷たい目で言われた…

今まで無遅刻無欠席だったのに遅刻がついたという汚点からか、兄はなんだか機嫌が悪かった

あー…しっかり、リレンママの血を引いてるなぁ…とか思った



そして、脳裏に寿皿がチラリとよぎった





「あ・・・」


俺はここに来てやっと、事の重大性がわかった

て、いうか何で気づいちゃったんだろう・・・・

知らぬが仏って言うじゃないか

俺のバカ・・・


「どうしたのさ、

「どうしよう…」


小刻みに震える身体

兄は訝しげな顔をしている


「どうしよう、兄!あの接着剤の効力がきれてるってことは、きっと皿の方も!!」

「!!!!」


そう、あの接着剤で皿をくっつけ終わった時に俺と兄の手がくっついたのだから

今頃はまたあのド派手な恥ずかしい寿皿が元の無残な姿に戻っているに違いない



「「どーしよう…」」



俺と兄は現実を受け入れたくなくて

今日、リョマの家にお泊りすることになった



・・・・・・・・

本当にあのお皿、何て言えばいいんだろう・・・・・・・・・・・・




誰か助けて!













+++あとがき+++

はい!久しぶりの双子夢更新です!

ラヂオでGO→のCMで宣伝してから何日経ってるんだか・・・

最近、文書いてないので少し変かもです。

この後、双子がどうなったのかは神のみぞ知るってね★

双子はお父様には頭が上がらない模様です(笑)

そのうち、双子のお父様の正義(まさよし)パパが青学に乱入する話でも書くかもです。