大掃除をしなければならない時期になった。

それは大晦日が近づいているせいでもある。

ここ、家でも大掃除をしていた。


「ふぃー大方、いらないものは片付いたね」

「棚ふいたり、窓ふいたり、電気の笠も・・・・はぁメンドクサイ」

「今日一日で終わるかなぁ」



「あのさ・・・」


「「何?」」






Twins .番外編  大掃除






「何で俺が家の大掃除を手伝わなきゃいけないわけ?」

何故か越前 リョーマは家の中にいた。

「だって、絶対2人じゃ終わらないもん」

「ごめんね、越前君。手伝わせちゃって・・・・・・でもさ、2人より3人って言うじゃない?」

「それにさ、リョマ一杯ウチに泊まりに来てたし」

「越前君も、もう家の一員だと思うな」


こんな時に発揮する双子の連携口攻めプレー。

しかもこの二人の言葉は後者の方を完璧に射抜いている。

リョーマは有無を言わざるを得なかった。


「・・・・・・わかったよ。やればいいんだろ」


「ありがとう、リョマ。リョマなら必ずそう言ってくれると信じていたよ」

「さすが越前君。海のように広い心を持ってるね」


リョーマは深く深く、溜息をついた。

「でもさ、3人でも終わらないと思うんだけど」

「それなら心配いらないよ。もう1人、呼んでおいたから」

リョーマの問いにが答えた。

が呼んだという人物をすぐさま思いついた。


「それって・・・・・・・」



ピンポーン



「あ、来た」

がインターホンの音を聞きつけすぐさま玄関へと向かった。



ガチャ



「いらっしゃい」

「お邪魔します」




は玄関の方で聞こえた声に反応した。

「!この声は・・・やっぱり・・・!」


を先頭にしてやって来た来訪客はとリョーマの方に向かって声を発した。

「掃除、手伝いに来てやったぞ」

「ども」

それに答えたのはリョーマだった。

「越前君もか?」

「この二人の策略にはめられて無理矢理」


「いらっしゃいイブキ君v」


家に訪れた人物はの友達の 伊吹 健太朗 だった。


「語尾にハートをつけるな気持ち悪い」

「ムッキィ〜〜人がせっかく友好的にしてあげてるのにぃ〜〜〜!!」


伊吹とのやりとりを無視し、リョーマはに話しかけた。

「とにかく、掃除を始めようよ。このままじゃ日が暮れちゃうし」

「それもそうだね」

「じゃあまずはリビングからっ!」

口論が終わったのかがリョーマとに向かって声を荒げた。


こうして、大掃除が始まったのである。
























<<リビング掃除編>>


「で、リビングの何処から掃除するんだ?」

「まず、キッチンの方から始めようと思ってるんだ」

そんな会話をしながら先頭を歩いていたとケンタはリビングへと続くドアをあけた。



「じゃあ、イブキ君はムカつくけど背が高いから換気扇の掃除

リョマは流し台、兄がレンジ周辺、俺がガスレンジでいいんだよね?」

の奴…思いっきりケンタを毛嫌ってるんだなぁ

敵意丸出しだし…

「うん。じゃあ各自が終わったらリビングの床や壁をやってね」

「では、早速取りかかるか」

ケンタは気にしてないようだけど・・・



掃除をやり始めて10分ぐらいした

流し台を水洗いしてるんだけど…結構大変なんだな

なかなか汚れ落ちないし

家でも流し台なんて掃除しないし

…どうするかな



・・・・・・っ

なんでそんなに綺麗になってるんだ

たしか、換気扇って油とかで掃除が大変じゃないのか?

まだ少し汚れているみたいだけど始めたときより明らかに綺麗になってる

「ケンタ…なんでそんなに綺麗になるんだ?」

俺はたまらずケンタに聞いた。


「こびりついた油汚れをこそげ取り、割り箸を削ってヘラのようにして使い

洗剤をまんべんなくかけ、5、6分おき、布で拭き取ると良いとメル友に聞いた事がある」


どんなメールしてるんだよっ!!!

「前に言ってたあの気の合う奴?」

「ああ、そうだ」

何処で知り合ったか知りたいよ…

「流し台はスポンジか布に粉せっけんとソフトクレンザーを少しつけてこすり、水洗いし、お湯拭きしたら

仕上げに、サラダ油を少し含ませた布かレモンの皮で磨くと光沢が出て汚れの保護になると言ってたな」

「ふーん、サンキュ」


ケンタってたまに変な知識持ってるよね

それから再び掃除をやり始めた






「綺麗になったね!ピカピカだぁ〜」

の言う通りリビング全体が入ってきたときに比べて断然綺麗になっていた

そこかしこからピカピカと光っている

「普段2人だけだから細かいところまで行き届かないからね」

「さて、次は和室だー さっさと終わらせよう!!」

は張り切ってリビングを出て行った。俺たちはのあとに続いてリビングを出た
















<<和室掃除編>>


「それにしても、どうして大晦日前日になるまで大掃除をほったらかしにしていたんだ?」

和室の障子の張り替えをしているときにケンタが聞いてきた

「一週間前から大掃除はしてたんだ」

ケンタの問いにが答える

「一体、今までどこを掃除してたんだよ・・・」

「書庫の掃除だよ。あそこを掃除してるだけで数日かかっちゃったんだ」

俺の問いにが答えた

「あと、自分達の部屋とか母さんと父さんの部屋とか。それだけで手一杯だったし」

は二人して溜息をついた

二人でやる分には大変な面積だったろう


「障子に使ってるノリって食べれるんだよね〜」

今にも食べそうな勢いでが言う

「無駄口たたいてないでさっさと貼りなよ

「ふわ〜い」

は再度、ハケを持った手を動かし始めた

「ノリ、くれぐれも食べないようにな」

「食べないよ!」



障子の紙の張替えが終わった

ノリが乾くまで他の場所を掃除しようという案が出た

「ん〜と次は・・・」

指を折って思案するの代わりにが言った

「次はお風呂場」

俺達は風呂場へと移動した



「しかし、お風呂場に4人もいたら邪魔ではないか?」

ケンタの一言に俺たちは一斉に悩みだした

顎に手を当てていたが口を開いた

「じゃあお風呂場と玄関で二手に別れる?」











「グ〜とパ〜で別れましょっ!!」
















≪玄関掃除&風呂場掃除編≫


「ねぇが言ってたアノ掛け声何?」

「知らない」

「でもさ、あの2人一緒にして大丈夫なの?」

「ケンタが相手にしなかったら平気でしょ」

俺とは玄関を箒で掃きながら会話をしていた

意外とこの家って広いんだよな…

親が出かけてるし、寂しくは無いんだろうか

あ、でもが騒いでれば平気か

「そういえばってケンタのメル友の相手知ってるんだよね。あれって青学の生徒?」

「いや、詳しくは知らないんだけどケンタって今年入学と一緒に引っ越して来たんだって

で、引っ越してくる前に仲良くなったって言ってたよ」

へぇー



「ちえー、よりにもよってなんでコイツと一緒なんだよ」

「それはがパー、越前君もパー俺がグー、お前もグーを出したからだろう」

「きぃぃぃぃーーーーーーー む〜か〜つ〜くぅー」

「そうか」

「だからその反応がムカつくんだよ!!何だよそのしれっとした反応はっ」

「何…と言われても俺は思ったとおりに喋っているだけだが?しかも、五月蝿い 近所迷惑だと思うが」

「うがぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー」



「なんか…どっちがどっち喋ってるか判りやすい」

どこからともなく聞こえてくるの声とかすれかすれに聞こえるケンタの声

「ちゃんと掃除出来てるのかなぁ」

俺はふと思ったことを言った

はやってないだろうね…怒鳴ってばっかりで。けど、ケンタはやっているだろうから大丈夫でしょ」



玄関掃除が終わっていまだ声の聞こえるお風呂場に言ってみるとの言った通り

お風呂場の掃除は終わってた

障子を元の場所にはめてからリビングに集まった

「次の掃除場所は…何処がまだやってなかったけ?」

「え〜と、あとは物置と庭・・・で最後だよ」

が思案しながら言った。

「物置部屋か・・・どうせ、今掃除したってすぐ荷物が溜まるだろうから物置部屋はいっか」

いいんだ・・・

「庭もいつでも出来るしねー」

「じゃあ、これで大掃除終了ってこと?」

「そうなるかな」

それを聞いて俺は伸びをしてから時計を見てみた

「うわっ!もうこんな時間か・・・」

時刻は5時25分だった

あたりはもう暗くなっていた

「どうする?もう帰る?それとも家で年越しソバ食べてく?」

窓を見ていた俺にが問いかけてきた

「んー・・・じゃあそうする。電話貸して」

俺はそう言ってから電話へと手を伸ばした

自分家の電話番号を押していく

「ケンタはどうする?」

「せっかくだからいただくとするよ」

ケンタはポケットから携帯電話を取り出して電話をかけた

そのころにはもう俺の電話は終わって受話器を戻していた

電話をしているケンタを見て

「帰ればいいのに・・・」

と言っていたのを聞いてしまった

それほどまでにケンタのことが嫌いなのか・・・







4人で紅白を見て、その後にがうったソバを除夜の鐘を聞きながら食べた

「む・・・不本意ながら、美味いな」

初めてケンタがのことを褒めたような気がする

「・・・・・・・どうも」

対しての方ははまんざらでもない顔をしていた

現金だね・・・



ソバを食べ終わってからが拳を上にあげて叫んだ


「これから皆で初詣に行こう!


「「「・・・・・・」」」

どこにそんな元気があるんだか・・・

コッチは今日一日(正確には半日だけど)掃除して疲れてんのに

初詣のお参りには、今年はがおとなしくしていますように、とでもお祈りしようかな






・・・・・・はっ!

これじゃまるっきりのお守り役じゃん!


















***あとがき***


初めてのリレー小説☆です!

誰がどこを書いたのか皆さんわかるかな・・・?

ていうか、季節外れもいいとろですよね〜コレ・・・

さて、ここで問題です

ケンタのメル友誰だと思いますか?

BBSにて解答求む!

                   by 天神 魔利



初めてのリレー小説といっても過言でもないよね魔利…

番外編だけど…本編も書かなくては…

でも、テストもあるし(学年末)

委員会の方も一段落ついたら頑張らせていただきますので

見捨てないで下さいっス

                   by 神月 美依祢





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