テルラヂ  肝試し実況ラヂオ -後編-




血に染まるシャワー室 の巻



朱辿 : 9番目の七不思議、血に染まるシャワー室は、名前のとおり
時折、シャワー室が真っ赤に染まるらしいんだ
あそこは運動部の合宿とかで稀に使われているのは知っているよね
昔、まだいじめがそんなに重要視されていない時
シャワー室でいじめやリンチなんかをやっていたんだって
いじめとかの発生率とともに、自殺未遂・・・
とくにリストカットなんかの発生率も高くなってね
そういうこともシャワー室で行われるようになったんだ
シャワー室に流れる血はとめどなく、生徒達の黒い感情もそこに溜まり始めた
それの最終形態と呼べるべき事件が発生してしまったんだ
ついに、シャワー室で殺人事件が起こったんだ
まるで9番目の噂のように、壁一面に血が飛び散り
排水管には生徒の無数の髪の毛が詰まっていたそうだよ
今でも、排水管が誰かの髪の毛で詰まっているそうだけど、皆してこう言うよね
それは、あの生徒のじゃないか・・・って


幸 : なんか、今までの中で一番危険そうな場所じゃない?大丈夫?恭兄?

恭 : 大丈夫だよ。俺にはヘルさんがついてるし。それじゃあ、行ってきます

朱辿 : うん。行ってらっしゃい。くれぐれも気をつけて

幸 : 恭兄〜〜!生きて帰ってきてよ〜〜〜



ガラガラガラガラ・・・ピシャン



恭 : くれぐれも気をつけて・・・か
本当に今回は危険そうだな

ヘル : ・・・もしかして、お前、気づいてる系?

恭 : 何にですか?

ヘル : 朱辿のことだよ

恭 : ・・・いや、なんか・・・決定的なものが掴めなくて
いつもの彼じゃないな、とまでしか
気配はいつもの朱辿なんですけど

ヘル : ふーん。そうか。まだまだだな

恭 : ・・・教えてはくれないんですか?

ヘル : そのうちわかるって♪

恭 : 楽しそうですね

ヘル : まぁな。オレにとってこの空気は最高に気持ちいいからな!
で、9番目の噂ってのは確か体育館だったよな?

恭 : えぇ。シャワー室は確かそこだけでしたから。使ったことはないけど

ヘル : オレも初めてだな
掃除場所で行く機会はあったが、あそこの担当は女子だったからなぁ
よくそこで、髪の毛がよく取れるって騒いでたな

恭 : ということは、朱辿の話てたことは本当のことなんですかね

ヘル : どうだか。最後の殺人事件は嘘だと思うけどな

恭 : 確かに・・・そんなことあったならウチの学校ここまで評判いいわけないですしね

ヘル : そういうこった。・・・着いたぞ。シャワー室だ

恭 : ここが・・・あっ、俺ムービーの準備します
?

ヘル : どした?

恭 : ムービーにノイズが・・・
・・・ムービーは諦めるとして、どうやって検証します?

ヘル : 血に染まるってことをまず検証しなくちゃ、だよな
だとしたら、シャワーの水でも出してみるか

恭 : はい

ヘル : 奥の方からやってくか。オレが一番奥のをやるから恭は二番目やってくれ

恭 : わかりました



キュッ…ジャアァァァ・・・・・・・・・



ヘル : 変わったことはないか?

恭 : ええ。特には
あ



ガッチャン!



ヘル : 恭!!?

恭 : ・・・閉じ込められました

ヘル : 誰だよ、個室なんかにした奴!
クッソ!開かねぇ!

恭 : コッチも頑張ってるんですが、うんともすんとも・・・
あ

ヘル : 今度は何だ?

恭 : 水が・・・ぬるぬるしてきて・・・っ鉄臭い・・・

ヘル : 始めから恭狙いか?チクショー!



クス・・・クスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクスクス



恭 : ・・・?笑い声?しかも、たくさん

ヘル : なんだココ…一匹や二匹じゃねぇじゃねぇか!なんなんだこの数!

恭 : ヘルさん?ソッチは一体、どうなってるんですか?

ヘル : それよりも自分の心配しとけ!

恭 : !
・・・?
雨漏り・・・?
うわ・・・宙づりの人がコッチ見て・・・


??? : 楽園ニ一緒ニ行キマショウ・・・・・・・・・?真赤ナ血ヲソエテ

ヘル : やばい!恭!コイツ等の言うことに聞く耳もつな!連れてかれるぞ!

恭 : ・・・なんか、落ちた・・・・・・・・・・カッター・・・?

ヘル : クッソ!笑い声のせいでオレの声が届かないのか!
コイツ等どうにかしようにも
数が多いうえに一匹一匹が強い力持っていて、どうにも・・・

??? : 注イデ・・・注イデ・・・



チッチッチッチッ・・・



恭 : ・・・・・・・・・・・・・・・

ヘル : 恭!?
オイ、まさか奴等にそそのかされて無いだろうな!?
出し惜しみしてる場合じゃないか

・・・お前等、いい気になってんじゃねぇぞ?

??? : ・・・・・・

恭 : あれ・・・俺・・・カッターなんかで何しようと・・・

ヘル : それ以上のことやってみろ
生前の苦しみをずっと味わうことになるぜ?



ギイ・・・



恭 : あ、開いた

ヘル : 恭、とっとと、ずらかるぞ!

恭 : はい!



ガラガラガラガラ・・・



朱辿 : お帰り

幸 : 恭兄〜〜〜無事だったんだね〜〜〜!
って、何その色!?真赤だよ!

恭 : あー…これは・・・

朱辿 : ふ〜ん。しっかり会って来たんだね

恭 : まぁ、そういうことです

ルシル : あ。戻ってきたんだ〜お帰り〜〜

幸 : ルシルンどこ行ってたんだよぅ!

ルシル : トイレに行ってくるって言ったじゃん

幸 : 俺、すぐにルシルンの後おっかけたけど、どこにもいなかったじゃん!

ルシル : 即効で行きましたから

幸 : そっかー
でも、そしたら瞬間移動並みだね!
俺にもその技教えてよー!

ルシル : あはは。今度ね♪

恭 : ね、ヘルさん

ヘル : 何だ?

恭 : 最初っからフルパワーでいかなかったのって
コレのせいですか?

ヘル : バレた?

恭 : いや、さすがにバレるでしょう
幸ぐらいですよ。あんなの信じるの
で、本物はどこに?

ヘル : 学校にいると思うぞ

恭 : 学校にいるのになんでわざわざ?

ヘル : どうしてだろうな

恭 : ・・・・・・

朱辿 : さて、空組が帰ってきたので次は月組の番だよ!
月組はどこに行きたい?

葵 : 動くマネキンや保健室前の立ち鏡も予想がついちゃうし
壁に写る影は体験したことあるしなぁ・・・
うぅぅぅぅぅ〜〜〜じゃあ・・・4番目の動くマネキンで

朱辿 : わかった。辿もそれでいいよね?

辿 : ああ

朱辿 : それじゃ、この4番目にまつわる話を一つ




動くマネキン の巻




朱辿 : 動くマネキンは服飾デザイン科の楓がよく知ってると思うけど
三階にある実習棟にいくつかショーケースがあるのは皆、知ってるよね?
そこに服デが制作した服をマネキンに着せて飾っているんだけど、時折、そのマネキンが動くんだって
それを目撃した生徒はたくさんいるらしい
実際にどのうような原理で動くのか月組に検証してもらうからね

葵 : 今回の話が一番短いんでね?
楓は動いたところ見たことあるの?

楓 : 実際に動いてるところは見たことないけど
昨日とポーズが違ったり…なんてことはよくあるよ

葵 : ・・・・で、でもさ!
検証たって、ケースは鍵かかってるだろうし、どうやって調べるんだよ!

楓 : あ、それは大丈夫。鍵はぼくが持ってるから
・・・はい。それじゃ、いってらっしゃい

葵 : そういえば君、風紀委員だったね・・・
鍵の持ち出しなんてお茶の子さいさいか

辿 : んじゃ、行ってくる

朱辿 : 行ってらっしゃい



ガラガラガラガラ・・・ピシャン



葵 : あー!!今気づいたけど、実習棟に行くには渡り廊下渡んなきゃじゃん!
やだよー!まだ心の傷も癒えてないのに、またあそこ通るなんて・・・

辿 : 6番目行った奴らも通ってるんだから平気だろ

葵 : でも、怖いものは怖いんです!
ひー!また、ヒタヒタって音したらどうしよう!

辿 : ・・・なんか、結構酷い目にあったらしいが、よく無事だったな

葵 : うん。なんとか、アッシーが助けてくれたんだ!

辿 : なんだそのどこぞの湖で発見された謎の生命体のような名前は

葵 : アッシーはアッシーだよ!
この学校を影ながら守ってくれてる正義のヒーロー!
きっと彼(?)がヘコムじゃないのかな!?

辿 : てか、ヘコムは業者の名前だろ
そのアッシーがいるから大丈夫だろ。早く渡ろうぜ

葵 : う、うん
なんかさ、一順で皆疲れ切っちゃってるよね
唯一元気なのは一番最初に回った恭と朱辿と辿さん
あとは、ヘルとルシルと幸だけど
でも、さっき帰ってきたら恭もヘルも疲れてたよね・・・
何があったのかなーなんて、聞きたくもないけど


辿 : 一番最初の俺達はなんも起きなかったからな

葵 : えー!?なんで!?ズルイよ!羨ましい!!

辿 : ・・・・・・思えば、あれが始まりの合図だったのかもしれねぇな

葵 : ?なんの?

辿 : あ、ほれ。ついたぞ。ショーケース

葵 : どうやって検証しよう?マネキンが動くんだよね
・・・写真でも撮っておく?


辿 : そうだな。マネキンをバックに撮ってみるか

葵 : はい。1、2、3。



パシャ



葵 : 撮れたよ。どれどれ・・・んん!?

辿 : どうした?

葵 : こ、これ見て!!

辿 : ・・・これは・・・・・・
ピースしてるな。さりげなく

葵 : わ、わかったぞ!きっと、夢の国の石造みたく
人間がマネキンに化けてるんだろう!!?!?

辿 : それじゃあ、ずっとショーケースの中にいることになるじゃねぇか
死んでるぞ、きっと
それにこんなスタイルの人間なんているわけないだろう

葵 : じゃあ、どう説明するんだよ!この現象を!!

辿 : ケース開けて、関節とか調べるっきゃねーだろ
マネキンにワイヤーケーブルとか入ってたら遠隔操作かなんかで動くだろうし

葵 : おおー!さすが電子機械科!
んじゃ、早速開けますよー



ガチャ



葵 : 開けたよー辿さん調べてー

辿 : わかってるって
んーーーーー・・・
んーーーーー?
・・・どこにもそういった類のものはねぇな・・・・・・

葵 : あ、あの辿さん?

辿 : あんだよ

葵 : お取り込み中悪いのですが

辿 : だから、何

葵 : マネキンが、その・・・顔はないけど
怒ってるように見えるんですけど

辿 : はい?
・・・・・・ヤベ
・・・逃げとくか

葵 : うわっぱぎゃぁああああ!!!
マネキンが動いてるよ!
しかも追いかけてきてるよ〜〜〜!!!

辿 : このまま部室に帰ってもこいつ着いてきたら
皆に迷惑かかるし・・・どうすんだ!?

葵 : ど、ど、どうって!?あ、そうだ。二階の渡り廊下!
きっと、アッシーが助けてくれるよ!

辿 : おし、じゃあ行ってみっか

葵 : 東の渡り廊下!

辿 : 一気に渡るぞ!

葵 : ゼェハァ・・・あ、れ?あのマネキン・・・渡り廊下渡って来ない

辿 : あいつが活動できるテリトリーでも決まってんのか、もしくは・・・

葵 : ここが危険な場所だと知ってるからかも・・・ね



ヒタヒタヒタヒタヒタヒタ・・・



葵 : !ま、またこの音!奴が来るよぉおおおお!!!

辿 : マネキンもまけたことだし、部室に戻るぞ!

葵 : うん!



ガラガラガラガラ・・・



葵 : ごわがっだぁあぁぁぁ・・・・・

朱辿 : お帰りー検証はどうだった?

辿 : 写真を撮ってきた

幸 : 見せて見せてー

朱辿 : ・・・ピースしてるね

葵 : 散々だったよ・・・追いかけられるし

幸 : マネキンと追いかけっこ!?
楽しそー

朱辿 : 追いかけって・・・はぁ!?

辿 : まいて来たから奴は来ることはない

朱辿 : あ、そうだ。鍵は?

葵 : あ。ショーケースにさしっぱだ・・・

楓 : 別にいいよ。朝一で鍵、回収してくるから

葵 : お手数かけます・・・

朱辿 : 次は花組だね。どこに行きたい?

楓 : 皆で話あった結果、8番目の保健室前の立ち鏡になりました

朱辿 : わかった。じゃあ、その噂にまつわる話をするよ




保健室前の立ち鏡 の巻



朱辿 : 鏡にまつわる怪談でよくある話のように
うちの学校の鏡にもそういう話があるんだ
あくまで噂なんだけど、あの鏡に悪魔だか悪霊だかを
封じ込めているらしいんだけど
そのせいで、時折、鏡に不思議なものがうつるようになったんだって
未来の自分が見えたり、その封じたモノが見えたり、死に顔が見えたり・・・
と、いろいろね
一時、未来の自分の姿が見えるっていう噂だけが一人走りしちゃって
生徒はこぞってその鏡に行ったんだ
で、ある時。一人の生徒が未来の自分を知りたくて鏡を見ると
今の自分の姿が映っているだけだった。
残念に思って帰ろうとしたら、鏡の中の自分は反対方向に歩いたんだって
驚いた生徒はそのまま鏡を凝視した
すると、鏡の自分は笑う。明らかに生徒とは正反対の表情をしている
生徒はなんとか動かない足に鞭打ってその場から逃げたらしいけど
その友人の話によれば、その生徒は右利きだったはずなのに
いつの間にか左利きになっていた、そうだよ
あの立ち鏡はそうやって、コッチの世界に鏡の住人を増やしているそうなんだ



ガラガラガラガラ・・・ピシャン



楓 : う〜ん・・・なんか、ハズレ?

輪 : 大丈夫だろ。三人いるし

幸 : それに、上手くすれば未来の自分が見れるんだよ!!

楓 : そうだね、プラスに考えよう

幸 : でも、保健室っていったら一番部室から遠いね

輪 : 一回、二階に行ってから職員室方面にある階段を下りていかなきゃだもんな

楓 : 二人とも、結構、元気だね・・・

幸 : え?そう?

楓 : 一順目はたしか包丁の音だったけど、何もなかったの?

輪 : あったにはあったけど
相手は人間だったから、それほど怖くはなかったな・・・

幸 : ・・・俺はよく覚えてない。気づいたら終わってた
カエカエは?

楓 : カエカエ・・・ぼくの方は、一杯一杯だったよ・・・

輪 : 二つも怪現象に会えばね・・・

幸 : おー!そういえば、冥界公衆電話の電話、受けたんだよね!?
どんな感じだったの!?

輪 : おい、傷口に塩を塗るようなこと言うんじゃねぇよ

楓 : そう、それなんだけど・・・
冷静に考えてみると、あの電話の声の主・・・
朱辿、のような気がするんだよね

幸 : しゅてん〜!?

輪 : いや、それは無いだろ。だって、電話してる姿、見てないし

幸 : その時はたぶん俺達の落書きを黒板消しで消してる最中だと思うよ?

楓 : そうだよね・・・そもそも、あの電話、壊れてるって聞いてたし
そもそも繋がるわけないのに繋がってたわけなんだし・・・・・
って、考えだしたら鳥肌がっ・・・!

輪 : もう考えるのはよそうぜ。俺も寒気がしてきた

幸 : 気分転換に歌でも歌って行こうよ
ぼわぼわぼわぼわ華子さ〜ん♪

輪 : 一生懸命、空気読んだのはわかったけど、やっぱし読めてないぞ!!

幸 : え!?ウソ!?

輪 : この状況でその曲ってないだろ!!

幸 : ギャボーン!!!まさかの選択ミス!!

楓 : まぁまぁ二人とも・・・ほら、例の立ち鏡に着いたよ

輪 : ・・・どう、検証するんだ?

幸 : やっぱ、鏡に映らないとだよね!

楓 : ノリノリだね
うん。でも、幸の言うとおり、一人ずつ映ってみようか

幸 : わはーv
俺、一番のりーーーー!
未来の俺、映んないかなー
・・・・・・れ?

楓 : まさか、死に顔が映ったわけじゃないよね!?

幸 : あー・・・うん。俺じゃなくて、ルシルが映ってる・・・

輪 : まさかのルシル悪魔説!?

楓 : えっ!?ヘルじゃなくて!!?

ルシル : キミ・・・達は、そんなところで、なにやってんの?

楓 : うわはぁ!!!喋ったぁ!!!

朱辿 : 鏡の悪魔は君達だったわけ?

幸 : ・・・・・朱辿が悪魔っていうのは、ちょっと納得しちゃうかも・・・

朱辿 : なんの話〜〜〜?

ルシル : 鏡の中の悪魔の話は置いといて
たぶん、今の状態は別世界と繋がっている感じだと思うんだけど

朱辿 : だから君達、約束の時間になっても来なかったんだね

輪 : 何の話をしてんだ?
俺達、約束の時間に集まってこうして肝試しやってんじゃねぇか

ルシル : 簡潔に言っちゃうと、ボク達のいる側が現実世界ってことv

楓 : 何を言って・・・だって、現にコッチにはルシルも朱辿もいるんですよ!?

ルシル : え?朱辿はともかくボクもいるの?
・・・それはきっとヘルの仕業だと思うんだけど・・・

朱辿 : 今君たちの方にいるボクは、偽物だよ。アレはボクの影なんだ

楓 : 影・・・?

ルシル : 朱辿は10番目の七不思議に影を・・・・・・

楓 : 鏡が、元に戻った

幸 : 今の話、ホントかも!
だって恭兄、朱辿、今日変って言ってたもん!

輪 : そういえば、行先とか、回る順番とか、かなりアイツに操作されてたような

楓 : そっか・・・それだったら、あの電話も納得がいくかも・・・・・・

幸 : でも、どうするの?このこと皆に話す?

輪 : 話すっきゃねぇだろ!こんな大事なこと!

楓 : 待って!今すぐ話すってのは、ちょっと・・・
彼の目的がはっきりしないまでは、なんとも

輪 : それはそうだけどよ!
モタモタしてたら俺達ここに閉じ込められるかもしれないんだぞ!?

幸 : しーーーーー!!!

楓 : な、に?

輪 : なんだよ

幸 : 声が聞こえる・・・

楓 : ・・・ルシル?

幸 : この鏡をコッチとの出口にする・・・?

輪 : 繋がったら、頃合いを見て脱出すべし・・・か

楓 : これで、逃走経路は確保、と

幸 : で、でも・・・それで?これからどうするの?

輪 : なるほどな。そのためのヘルってわけか

幸 : どのため・・・?

楓 : 準備ができたことをルシルがヘルに伝えて、実行ってわけか
あの二人って、変な意思疎通できるみたいだし

輪 : ヘルの協力者は必要だよな

楓 : 全員戻らなかったら不審がられるしね

幸 : あの、ついていけないんですけど・・・

楓 : それじゃあ、ぼくが戻るね

輪 : そうだな。楓が一番適任だと思う

幸 : お、俺は?

楓 : 輪とここで待機してて。んじゃ、戻るね



ガラガラガラガラ・・・



朱辿 : お帰りー。・・・幸と輪は?

楓 : 先にコッチ、戻ってなかった!?

朱辿 : うん。二人ともまだ戻ってきてないよ?
もしかして8番目の七不思議で何かあった?

楓 : それが・・・三人で鏡に映って写真を撮ろうとしたんですけど
四人、いたんです。ぼく達の後ろにもう一人が鏡に映っていたんです・・・
それで、皆して逃げ出したんですけど、もう無我夢中で・・・
気づいたら、ぼく一人で逃げてたんです・・・
も、もしかしたら二人とも、鏡の中に引きずりこまれちゃったかも・・・!

朱辿 : まぁ、あんなのただの噂だから・・・あまり、気にせず、ね?

楓 : 朱辿はまだ怖い目にあってないからそんなこと言えるんですよ!
こんな、こんなの異常です!非日常的すぎます〜〜〜!

恭 : 幸ならほっといても戻ってくるでしょ
それより、この肝試し早く終わらして帰りたいんですけど

朱辿 : そうだね。いつ戻ってくるかわからない人待っててもね〜
んじゃ、先に進めちゃいますか
ラスト、星組!10番目の七不思議に行くよ




壁に映る影 の巻



朱辿 : 行く前に、最後の語りをしていくね
10番目は壁に映る影
この壁ってのは北側の校舎の壁のこと
あっちにはゴミ捨て場とか自転車置き場とかあるし
通る人は少なくないと思うから、位置はだいたいわかるよね
葵が10番目に遭ったそうだけど、これはたまたま
月明かりがない日に街灯の光で出来た影が写っただけだから
さて、本題の10番目の噂はこう
北側の壁に影が映って、自分の動きとは異なった動きをするんだって
空を見てみれば月が出てるから、壁に影は映るはずはない
それなのに、影は移って、動いている
そのうち影は壁を伝ってどこかへ行ってしまうんだって
なんとなく、自分の足元を見てみると、影がなくなっていたそうだよ
しばらくして、その人は他界してしまったんだって


ガラガラガラガラ・・・ピシャン


ヴァルム : ・・・難易度高いね

ルシル : ボク達も影取られたら死んじゃうのかな?

朱辿 : 死ぬっていうのは多分大袈裟にしてるだけだと思うけどね

ルシル : そ、そうだよねー!そこまでいかないよね!

朱辿 : ただ、短命になるかもしれないけど

ルシル : 全然だめじゃないか!

ヴァルム : ・・・こっから北側だと、部室の脇通っていったほうが近いね

ルシル : それにしても、幸達大丈夫かな・・・

朱辿 : 検証が終わったら保健室のぞいてみる?

ヴァルム : ・・・うん

ルシル : そだねー

朱辿 : 今思ったけど、ボク達、一巡目はまったく別々だったんだよね。どうだった?

ルシル : あーうん。疲れた

ヴァルム : ・・・危機一髪だった

朱辿 : 二人とも的を得ない発言だね・・・

ルシル : いや、だってそれ以外の感想、思いつかなくって

ヴァルム : ・・・他の皆も、戻って来ても具体的なこと言ってこないよね・・・・・・

朱辿 : そういえば、具体的な感想って、あんま聞かないね
唯一、ストレートに言ってきたのは楓だけだ

ルシル : あ、そだ。ねぇねぇ。朱辿

朱辿 : 何?

ルシル : 調理実習室の鍵って、朱辿が開けといてくれたの?

朱辿 : ボクは何もしてないよ

ルシル : えっ・・・

朱辿 : 君たちが出てった後に鍵の存在に気づいたんだけど、よく入れたね

ルシル : ・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヴァルム : ・・・不思議な話があるもんだね。先生のかけ忘れかな

ルシル : 今回の検証はどうするつもり?

朱辿 : 壁に並んで皆で写真を撮ろうかと

ヴァルム : ・・・どっち向き?

ルシル : ついたね。北側

朱辿 : じゃ、早速、検証始めようか
まずはここで一枚撮ろう

ルシル : 並ぶんだよね

朱辿 : うん。壁に背は向けず、向き合って。それで、人は撮らず、壁を撮るんだ

ヴァルム : ・・・これなら、フラッシュしてもヴァル達の影は映らないね

ルシル : 写真に、影が映ってたら本物ってことか

朱辿 : そういうこと。・・・・・ここは違うね

ルシル : よーし、どんどん奥に行こう!

ヴァルム : ・・・あ

朱辿 : ん?
どうしたの、ヴァル

ヴァルム : ・・・なんでも、ない

ルシル : ここの壁を撮るよー
・・・・・・・・・・ここも違うみたいだね

朱辿 : 残りはゴミ捨て場近くの壁だけだね

ヴァルム : ・・・ねぇ、影がない人って、どういう人・・・・・・?

ルシル : そりゃあ、人間じゃないよ

朱辿 : それか10番目にでも影取られちゃったんじゃないの?

ヴァルム : ・・・じゃあ、二人とも、10番目にやられたの・・・・・・?

朱辿 : なに、言ってるのヴァル?

ヴァルム : ・・・だって、二人とも影が・・・

シュテン : 影ならあるよ
ここにね

ヴァルム : ・・・!!

ルシル : ヴァルの影が朱辿の足元とくっついてる!?
どういうことー!!?

ヴァルム : ・・・ルシルは関係ないの?

ルシル : ボクは七不思議とは無関係だよ
だって、ボクはヘルが作り出した幻影だもの

ヴァルム : ・・・そうだったんだ

シュテン : ははぁ。なるほどね。残念だな。いい影が二つ、手に入ると思ったのに

ヴァルム : ・・・10番目は

ルシル : 朱辿だったってこと!?

朱辿 : それはボクだけど、ボクじゃないよ

ルシル : えぇ!?しゅ、朱辿!?二人いる!?

ヴァルム : ・・・コッチも影ない

朱辿 : それは、ボクの影を盗った10番目で、コッチが本物
さて。影を返してもらおうか

シュテン : よく来れたね
残念だけど、ヴァルの影は貰っていく。残りの人間の影も!

ルシル : 残念なのは、君だよ。どうして朱辿がコッチに来れたかわかる?ヒントは保健室

シュテン : !あの鏡かっ!!くそ、あんの役立たず!

ルシル : ボクは神父だからね。悪魔を手なずけるのは得意なのさ

朱辿 : 部室に残ってる連中は今頃、大脱走中だよ

シュテン : 逃げられるものなら逃げればいい!

ヴァルム : ・・・空間が歪む・・・・・!?

シュテン : 君の影で力が増したボクに敵うものなんて、いないんだよ!

朱辿 : うん。だから影返せ

シュテン : ギャッ!!

ルシル : なんか投げた!

ヴァルム : ・・・塩?

朱辿 : ボクが丸腰で来ると思った?
ちゃんと、お前ら専用の武器は持ってきてるんだよ

ヴァルム : ・・・あ、影が元に戻った

ルシル : 朱辿のも

朱辿 : これで任務完了。ほら、ずらかるぞ

ルシル : う、うん
急げ!ヴァル!

ヴァルム : ・・・わかってる

朱辿 : ぷはー
やっと、現実世界に戻ってこれたー

ヴァルム : ・・・散々だった

ルシル : お帰りー!!

ヴァルム : ・・・本物

楓 : 全員無事みたいですね

朱辿 : うん。影も戻ったし

幸 : これから、どうするの?

朱辿 : え?

幸 : だって、時計見てみてよ

恭 : 結構、時間が経ってる気がしましたが
コッチでは30分程度の出来事だったみたいです

葵 : もう僕、帰りたいんだけど・・・

ヘル : 肝試し続行するのか?

葵 : えー!!!
もうヤダーーーー!!!

輪 : 俺はどっちでもいいんだけど

辿 : 俺も

朱辿 : 皆、充分。肝試しを楽しんだんでしょ?
だったら、もういいんじゃない。解散して

ルシル : そうだねー
なんだかんだ言って疲れたし

葵 : やたー!
帰れるよー

幸 : えー!俺まだ肝試しらしいことしてない〜〜〜!!

恭 : いいから、帰るぞ

幸 : うわぁ、待って。待ってよ
恭兄〜〜〜〜

恭 : それじゃあ、お先に失礼します

幸 : ばいばい〜

葵 : 僕達も帰ろう辿さん

辿 : ああ
それじゃ、またな

葵 : お疲れ様です!

楓 : ばいばい。朱辿

輪 : また学校でな

ルシル : 結局、朱辿に振り回されっぱなしだったなー

ヘル : オレは楽しかったぜ

朱辿 : 今日はありがとね。二人とも

ルシル : 一応、元クラスメイツのよしみだからねー
今日は疲れたのでもう帰るよ。じゃあね

ヘル : またな

ヴァルム : ・・・ヴァル達も帰ろう?

朱辿 : そうだね。帰ろっか


END