Twins .レギュラー対決 1










う゛――――

兄が帰ってこない・・・


部活の後、伊吹と行くところがあるからと言って兄と別れて

一人で帰って来て夕飯の仕度すんだのに帰ってこない・・・

電話もメールの方にも連絡がないしー


・・・こうなったら伊吹に兄のこと聞いてみるしか・・・・・・・・

うー伊吹の家に電話するのやだな

でも、兄のためだ!!



ピポパピポ



プルル〜・・・・プルル〜・・・・




うひゃ

つながっちゃったよuu



『はい、伊吹ですけど』

「あ!もしもし、ですけど・・・・・・・・・・・・・・・賢太朗くん、いますか?」

『・・・・の弟に名前で呼ばれるとは思わなかったぞ』

「ムキ――っ!!俺だって呼びたくて呼んだわけじゃない!!」

『で、の弟が何の用だ』

兄そっちにいる?ケータイに連絡つかないんだけど」

『・・・いや、5分ほど前に別れたはずだが』

「わかったありがとう」

が帰って来てないのか』

「そうだよ。もう少し待ってみる。それじゃあ」

『・・・ああ』



ガチャ







・・・・・

さっき、いやいやながらも伊吹の家にも電話したけど・・・

もう、あれから2時間ぐらいたつよ・・・・・・



兄の放浪癖が出たのかな

それなら別にいいんだけど。前にも同じこと何度もあったし










君、まだ君は帰ってこないのかい?」



不二先輩、それリョマにも聞かれましたよ



「まだです。。。」



うう・・・

そろそろ寂しくなってきたよー

連絡ないし・・・・

兄〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!



「なんて顔してるんだよ



背後から声が聞こえた

うひゃあ―――

とうとう兄の幻聴まで聞こえてきたよ

俺まだ若いのに・・・・・・

兄も若いのに放浪癖なんて持ってて・・・・・・ほろり



「まったく・・・少し会わなかっただけでそんなにボケたの?」

「!兄―――――!?」



再び兄の声が後ろから聞こえてきて振り返ってみると

アラ!ビックリっ!!

兄がそこに立っていた――――!



君!」

だあー」



不二先輩は目を開眼させて(こえー)

猫丸先輩は兄に抱きついて(ずるい!)

兄の名前を呼んだ



「ふえ・・・兄のバカ―――っ!!どこ行ってたのさ!
 兄が放浪癖持ちだと知っててもいきなり消えたら
 ビックリするんだからね
 夕食なんて兄の分まで作っちゃったから
 二人分食べるの大変だったんだから!!」




俺は息を切らせて叫んだ



「ごめんごめん。今回は連絡をしなかった俺が悪い。
 携帯の電池、なくなっちゃってね」



兄が俺の頭をポンポン叩いた



「今度は連絡ぐらい・・・最低限のことはしてね」

「わかった」


「兄弟愛を見せびらかしてくれてるのはいいけど・・・もう、そろそろ練習始まるよ」



不二先輩が手塚部長を指さした



「俺、手塚部長に理由言わなくちゃいけないから行ってくる
 も早く着替えてきな」



兄は走って手塚部長のところへ行ってしまった

ああー久しぶりに兄と会話できたー(ほくほく)






「今日、レギュラー陣にはボールを打てる範囲を限定しての
 ラリー対決を行ってもらう。いわゆるゾーン練習だ。乾」

「O K」



猫丸先輩の隣に座りながら手塚部長の話しを聞いていた



「とりあえずプレイスタイル別に皆を分けるとこうなる・・・
 『カウンターパンチャー』の大石・不二・海堂
 ベースライン上での安定したストロークで粘りつつ相手のミスを誘う
 『アグレッシブベースライナー』のと桃城
 同じベースラインプレーヤーでもパワーを生かして攻撃的なプレーをする二人
 『サーブ&ボレーヤー』の菊丸
 俊敏性と反射神経の良さを生かしてネットプレー中心のスタイル
 そして『オールラウンダー』の手塚と越前と
 総合運動能力に長けている為、応用の利く器用さを持っている」



乾先輩ってよく舌まわるよねって

兄の右隣を獲得した俺はそのことを兄に言ったら

ちゃんと話聞いてな、とハリセンをくらった

あぁ、懐かしや・・・

あ!決してマゾではないよ!

しかし、兄のハリセンって日常茶飯事になってたんだなー

隣にいる菊丸先輩に笑われたけど・・・



「今回は、大石・不二・海堂・と菊丸が前面を守って
 兄弟・桃城・手塚・越前が半面から攻撃の5ラリー対決」



乾先輩がグラウンドに簡単なテニスコートを書いて

全面に斜線と半面に斜線を加えている



「ネットや斜線のゾーン意外に打つとその時点で負け。
 負けたらこの乾特性野菜汁を一気に飲まなくてはいけない」



どよ〜ん

という効果音が聞こえてきそうな乾特性野菜汁を持っている

あれどっから出したんだろう・・・

マムシ先輩とピーチキャッスル先輩が二人して同じ顔をした

二人揃うなんてめっずらしー



「ちょっと待ってよ。こっち側は5人いるじゃないっスか?」



リョーマが手を挙げて訊ねた

そーいえば、そーだなぁー・・・

余った一人はどうするんだろう?



「余った一人は全面側の一人にもう一度、相手してもらうから平気だよ」



大石先輩が口を挟んだ

なるほどー



「要するにこっち側は5球以内に決めれば、その変なの飲まなくてもいいんっスね」



リョーマはスッと歩き出した


「そう、俺達全面側は5球しのげば勝ち!」



大石先輩はリョーマに答えた



「おおーっイキナリスゲ――っ!レギュラー対決だーっ!」




周りにいた部員さん達が叫び出した

誰と戦うのかなー

楽しみー!










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POST SCRIPT

久しぶりに本編書いたー

今回は弟視点。

乾さんの説明っていうか台詞多いデス。

なんか長くなりそうなんで次回に続く。